人民元の切り下げ=中国景気減速懸念→世界経済の減速→世界同時株安
少し落ち着きを取り戻しましたが、市場関係者の最大の懸念が
中国経済の先行きであることは間違いありません。
しかし、世界同時株安=世界同時デフレが長期的なトレンドになるとすれば、
そのカギを握るのは米国株式相場の動向であることは疑いのない事実です。
リーマンショック後、一時的な危機はありましたが、世界経済全体としての景気・株価の長期的な下落トレンドにはなりませんでした。
7年間米国株式相場は上昇トレンドを続けています。
しかし、ここにきて、明らかに米国株式相場が変調をきたしています。
NYダウの2015年の騰落率はマイナス1.9%と,
年初来17.6%と12.0%の上昇率の日経平均とドイツDAXに比べて
パフォーマンスの悪さが目立ちます。
そして、このタイミングで、チャーティストとして著名な
若林英四さんや 三菱UFモルガンスタンレーJ証券の宮田さんが、
今後の米国株価の長期下落トレンド入りを予言されています。
実は、チャートの権威であるこのお二人は、昨年からずっと米国株式にベアなスタンスで臨まれていました。
ということは、昨年はずっと外してこられたということ。
昨年夏から秋にかけて、米国経済長期停滞論が台頭し、
世界的な株安+円高(リスクオフ相場)に一気に動き出そうとしていた時期がありました。
チャートのシグナルでは、さまざまな長期シグナルがベア相場の始まりを告げていました。
しかし結果は.......
日本におけるGPIFのリスク資産買い増し、日銀の追加金融緩和、
中国の金融緩和、ECBによるQE発動により、
チャートのベアシグナルは見事に粉砕されました。
まさにチャーティストの敗北の年でした。
実は、私も現役時代チャート分析が好きでした。
私が一番信奉していたチャートは、月足のMACDです。
しかし、相場の専門家のいろいろな解説やコメントでこの月足MACDに言及されているものを私はお目にかかったことがありません。
そもそも月足のMACDのシグナルは数年に一度出るかどうかのシグナルなので、
実際のトレーディングにはあまり役に立ちません。
しかし、あらゆるチャートを見てきた私ですが、
相場の数年単位の長期トレンドの転換点を一番早く知らせてくれる
テクニカルツールであるとは信じています。
その月足MACDにおいて、
米国株式指標のS&P500が
2015年1月末時点で 売りシグナルを点灯させています
(1月末終値@1,994.99)その後SP500はそのレベルから上昇していますが(8月14日@2,091.54)売りシグナルはずっと維持されています。
今回もチャートのベアシグナルは、リフレ政策に粉砕されてしまうのでしょうか?
今度こそは、チャーティストが勝利するような気がしますが・・・・・
以上
天