RED HOT CHILI PEPPERS】(レッド·ホット·チリ·ペッパーズ)の新譜〖UNLIMITED LOVE〗(アンリミテッド·ラブ)は前作〖THE GETAWAY〗(ザ·ゲッタウェイ)以来約6年振りのアルバムとの事ですが何より話題を集めたのは『約16年振りの【ジョン·フルシアンテ】復帰作』という事ですね。
しかし、当時金欠状態だった(今もね..)僕はアルバムリリース後もいまいち手が出ず「アルバムはもう少しお金に余裕がある時に..」と購入を先延ばしにしていた訳ですが、そうこうしている内にその年の10月14日(どうでも良いけど僕の誕生日です!)にはなんと通算13作目となる〖RETURN OF THE DREAM CANTEEN〗(リターン·オブ·ザ·ドリーム·カンティーン)をリリース。こういう金欠の時に限って半年という短いスパンでアルバムを発表するというレッチリ史上類の無い事態に...。
順番的には先に後発のRETURN OF THE DREAM CANTEENを購入し、悩んだ末に遅れてUNLIMITED LOVEを購入したのですがそれには訳がありましてね...。ネットレビュー等を読んでいてもUNLIMITED LOVEの方の評価は微妙だったのですよ...。主に言われていたのが『ジョン·フルシアンテが復帰した割にはジョン·フルシアンテの影が薄い..』みたいな感想でしたね...。他には『大人しくて退屈な曲ばかり..』って感想も散見されましたね...。
更に13作目のRETURN OF THE DREAM CANTEENがリリースされるとその前作と比べて見違える様な本作の出来の良さからか更にUNLIMITED LOVEへの風当たりが強くなります。酷いのだと『UNLIMITED LOVEなんかリリースせずにRETURN OF THE DREAM CANTEENだけリリースすれば良かったのに!』なんて意見も見受けられるほど...。
これらの辛辣なレビューの数々を目の当たりにして既にRETURN OF THE DREAM CANTEENを手に入れていた僕もUNLIMITED LOVE購入は躊躇していたのですがやっぱ記念すべきジョン復帰作は全部持っておきたいですし音楽の感じ方も"人は人、自分は自分"と信じて購入に至った訳です。しかし、何よりもUNLIMITED LOVE購入の決め手となったのはやっぱプロデューサーを務めたのが【リック·ルービン】であるという事でしたね。
BLACK SUMMERの約1ヶ月後に公開された第二弾シングル〖POSTER CHILD〗(ポスター·チャイルド)も勿論アルバムに収録。【アンソニー·キーディス】(Vo)のラップを主体としたチルアウト系のメロウ·ファンクでレッチリとしてはこういう"メロディそっちのけタイプ"の楽曲は久々なのではなかろうか...。それこそ1991年リリースの彼らの大出世作〖BLOOD SUGAR SEX MAGIC〗(ブラッド·シュガー·セックス·マジック)を彷彿とさせますがバンドサウンドはあの頃みたいにブリブリいわしてませんので好みの別れそうな楽曲ではあります...。
往年のファンからは"BLOOD SUGAR SEX MAGIC的なブリブリのファンク·アルバム待望論"が未だに聞かれますが、あのアルバムがリリースされてもう30年以上が経過していてその間に何枚もアルバムを発表しているにも関わらずああいう作風のアルバムは1度足りとも作っていないのだからもう作らないんじゃないかなぁ...。
さて、続きましてジョン·フルシアンテ復帰第二弾となる13作目RETURN OF THE DREAM CANTEENを聴いた感想です。プロデュースは前作UNLIMITED LOVEに引き続きリック·ルービン。嬉しいなぁ...。
もう先行シングルにしてアルバム冒頭曲の〖TIPPA MY TONGUE〗(ティッパ·マイ·タング)を聴いた時点でUNLIMITED LOVEとの違いを痛感。曲調がはっちゃけているせいもあるのかジョンのギターが物凄く生き生きしている様に感じましたね。
完全に好みの問題になってしまうのですけど個人的にTIPPA MY TONGUEは歴代のレッチリ曲の中でもトップ3に入るくらい好きな楽曲になりました...。アホっぽいコーラスに素っ頓狂なアンソニーのラップから一呼吸置いてのめっちゃ格好良いサビメロとジョンのギター。このAメロとサビのギャップが良いわぁ...。"若かりし頃のレッチリの【ヤンチャ感】を出しつつ格好良い所はしっかり格好良い.."正に現在のレッチリの集大成的1曲だと思うのですよ...。(褒め過ぎ?)
記憶を辿れば僕が洋楽ロックに目醒めたきっかけとなったのは2002年リリースのレッチリの8thアルバム〖BY THE WAY〗(バイ·ザ·ウェイ)。そこから遡って同じく1999年リリースのレッチリの7thアルバム〖CALIFORNICATION〗(カリフォルニケイション)を聴いて本格的に洋楽ロックの沼にハマって行きました...。BY THE WAYもCALIFORNICATIONもジョン在籍時のアルバムなので当時の僕は洋楽ロック初心者にしてジョンのギター漬けになった訳ですが、後にこの記憶が僕の中で非常に印象深く残り、あれから22年経った今でもジョンのギターを聴くと洋楽ロックを聴き始めたあの頃の初々しい気持ちを思い出すのですよ(笑)
ただ、そんな無知な僕でもRETURN OF THE DREAM CANTEENはギターのみならずバンドサウンド全体が自由で生き生きしているのが良く解る...。"作風の違い"という見方も出来るのかも知れないけどそれでもやはり「UNLIMITED LOVEは"試運転"的な作品だったのかな?」と思わせる凄みが本作にはありますね。特に4曲目の〖EDDIE〗(エディ)なんかはもうサイコー。切ないサビメロは勿論の事、楽曲終盤の長めのギタープレイも全く長いと感じさせずそれこそ10分でも20分でも聴き続けたい心地良さ...。もうEDDIE以降の楽曲は「次はどんなギタープレイが飛び出すんだろう?」ってな感じで気付けばほぼジョンのギター目当てで聴いていましたからね...。(だったらジョンのソロアルバムでも聴いとけや..)
そんなこんなでRETURN OF THE DREAM CANTEENの方は褒めちぎった訳ですが個人的にはUNLIMITED LOVEだって忘れた頃にリピートするくらいは好きですから『ファンなら両方GETすべし!』ってのが僕の結論ですね。まぁ、それでも聴くなら絶対に"UNLIMITED LOVE→RETURN OF THE DREAM CANTEEN"の順をお勧めしますけどね...。(やっぱ後発の方が出来がいいからさ..)