福井建築探訪の2日目です。

朝一は宿から近い雄島に行ってみました。

ちょっとした観光地のようで、小さな無人島に陸橋がかかっています。

まあ、ふーんって感じでしたね(笑)

ここから福井の最南端近くまで下り、福井年稿博物館と若狭三方縄文博物館を見学です。

ふたつの建築物は同じ縄文ロマンパークという巨大な公園?の中に位置しています。

まずは、福井年稿博物館です。

設計は内藤廣氏で、竣工は2018年8月ですので約6年経過しています。

個人的には、かなり見ておきたかった建築でしたが、いかせん首都圏からはアクセスが悪かったのでなかなか足を運ぶことができませんでしたが、新幹線開通でやっと実現しました。

ところで、ここに展示してある年稿ってなんだろ?と思っていましたが、若狭湾岸にある三方五湖のひとつである水月湖の湖底から採掘された約7万年前の堆積地層である「年縞」を展示・研究するための施設だそうで、その年稿を調べると正確な年代がわかるとともに、その当時がどのような状況(環境や気候)だったのか予測できるそうです。

水月湖は湖底がかき乱されることなく7万年もの間、年稿を形成しており、これほど長い間年稿を形成しているのは世界でも例を見ないそうです。いろいろなことを知れて非常に勉強になりましたし、興味深い内容でした。

肝心の建築ですが、個人的にはかなり琴線に触れる、美しい建築でした!

敷地は水月湖の湖畔に位置しており、洪水が頻繁に起こり冠水の恐れがあるため、1階はエントランスとピロティになっています。

細長い建築物の足元はコンクリート打ち放しの柱があり、2階はコンクリート打ち放しの壁の上部に鉄骨のトラス梁、その上部に木造の屋根がのっています。構造的には非常に華奢な感じがしますが、これがまたごつごつしていなくて美しい!

外観は軒の深い大屋根が美しく、外壁はガラス張りなので、足元がピロティであることもあり、建物が浮いたようにも見えます。

夜景の写真も拝見しましたが、非常に美しい!

これまでに見た建築の中でもBEST3には入る感じで、見に来れてよかったです。

やはり、内藤氏の建築はいいなーと感じながら、すぐ隣に位置する若狭三方縄文博物館に向かいます。

こちらは、設計は横内敏人氏で、竣工は2000年ですので約24年が経過しています。

建物は三方五湖の近くにある鳥浜貝塚という縄文遺跡の展示博物館だそうですが、建物はほぼ土のなかに埋まっており数本のRCの煙突のようなものが林立しています。

なんだこれは?という感じですが、中に入ってびっくりです。

なんとなく、埼玉にある首都圏外郭放水路、別名防災地下神殿を思い出しましたが、まさに地下に埋もれる要塞のような建築物でした。

因みに、横内敏人氏のお名前は知っていましたが、作品を見るのは初めてかも。。。

HPを見る限り、和風の個人住宅を数多く手がけられているようですが、この博物館は異質な感じがします。

しかし、外部にはまったく表情を表さない建築ですが、その反面、内部はかなりな主張をしています。

なんか、こんな建築も珍しいなぁと思いますが、あとは写真を見て感じていただければよろしいかと。。。

ここからレインボーラインを通って山の上に上がっていくと、三方五湖テラスがあります。

建築ではないのですが、とにかく眺めが素晴らしいということで、登ってみました。

駐車場まで上がると、そこから先はロープウエィでさらに頂上を目指します。

上がってみれば、噂にたがわぬ素晴らしい景色で、眼下には三方五湖と入り組んだ若狭湾が望めます。

天気も良かったので登ってよかったです。

福井市建築探訪の〆は、タケフナイフビレッジです。

タケフナイフビレッジってなんだろ?と思っていましたが、武生という地名とナイフビレッジが合体した言葉で、ナイフ工場と直売所でした。

タケフナイフは10社(現在は13社)からなるナイフ、包丁の共同工房で、ここで制作された刃物を越前打刃物というそうです。

建物は本体棟と別棟があって、別棟は包丁の直売所となっていました。

また、別棟の脇もまだ工事をやっていたので、続けて建物ができるのかもしれません。

本体棟の設計は毛綱毅曠氏で、竣工は1995年5月、約29年が経過しています。

本体棟の1階は、包丁の作成過程と包丁職人の紹介、包丁展示になっており、2階部分は神棚が祭ってあるのみで、なんとも贅沢なつくりになっています。

建物そのものは何をイメージしているのか、想像はできませんでしたが、氏の作品を見る限り奇抜なデザインの建物が多いようです。

その横にあるのが別棟ですが、こちらはとはまったく趣の異なる建築です。

別棟の設計は長田直之+ICU一級建築士事務所となっています。

個人的には、どうしてこの建築物が2つ並ぶんだろ?と不思議な感じでしたが、「現在、代替り時期を迎えたタケフナイフビレッジ。

第2世代の職人たちに向けて、越前打刃物のさらなる新境地開拓を鼓舞するような建築が生み出されている。」ということのようでした。

2日間、様々な建築を見ましたが、非常に有意義でした。

ぜひ、福井に足を運んだ際には見学に行ってみてください。

 

福井県年縞博物館 公式HP (fukui.lg.jp)

 

若狭三方縄文博物館/輝きと優しさに出会えるまち 若狭町 (fukui-wakasa.lg.jp)

 

天空のテラス | 福井 レインボーライン (mikatagoko.com)

 

【刃物の産地を変えた「共同工房」誕生の物語】叡智を継ぐ|越前市観光協会公式サイト (echizen-tourism.jp)

 

ブログランキングに参加していますので、よろしければポチットとお願いします!

にほんブログ村 旅行ブログへ
にほんブログ村