2日目は上田市立美術館から始まります。

場所は松本市から1時間半ほど北東に向かったところにあります。

設計は柳澤孝彦+TAK建築研究所・梓設計共同企業体が手掛けたようです。

ここも劇場と美術館が複合された施設で、まつもと市民芸術館と同じく巨大な建築ですが、それ以上に敷地のスケールも大きくのびのびとした場所に建っているので、同じ巨大な建築でも印象はまったく異なります。

柳澤氏の建築はいくつか見ましたが、どこも巨大建築物なのですが、不思議と受け入れられる建築に仕上がっているように思います。

外観はコンクリート打ち放しにところどころ木が使用してあり、堅牢の中にも柔らかさが伺えます。

建築は中庭を囲うように円形状をしており、エントラスと融合して非常に気持ちの良い空間でした。

中庭の一部には水盤も配置されており、親子で水遊びをしている姿がなんとも愛らしい。

内部は吹き抜けの廊下が中庭に面して配置されおり、その廊下から劇場や美術館にアクセスできますし、中庭に面して小さな会議室やスタジオも配置されており、それらの小部屋にもアクセスできます。

あまり期待していなかったのですが、意外にも?現地を見ると晴天と相まってすがすがしい建築を見ることができました。

ここから軽井沢まで走って、千住博美術館と石の教会を見学します。

まずは千住博美術館ですが、ここは竣工当時に1度訪れています。

設計は西沢立衛氏で、竣工は2011年です。

建物は敷地が緩やかに傾斜しているのに逆らわず、建物そのものの床も傾斜しています。

竣工当時に見学したときには建物外観がはっきりと見て取れましたが、今回は樹木が生い茂り外観がはっきりとは見えなくなっていました。

外壁はほぼUVガラスで囲われており、大きな白い屋根が乗っています。

中に入ると、千住博氏の作品が壁ごとに配置されていると同時に、外部を見回すと緑が目に飛び込んできます。

床が傾斜しているのに身を任せながら作品を鑑賞していくと、傾斜しているからかなんだか不思議な感じになります。

当時見たときには、真っ白だし、雨仕舞が難しそうな外壁だし、数年たつとボロボロになるんじゃないかと思っていましたが、竣工から13年経っても割と綺麗な状態を保っていました。

残念ながら、内部は写真撮影禁止なので(当たり前か)、撮れませんでしたが内部空間も千住博氏のすがすがしい絵画と相まって気持ちの良い空間でした。

別棟でベーカリーやギャラリーが配置されていますし、そちらも同じようなテイストで設計されていますので、ぜひ見学してみてください。

千住博美術館から車で5分くらいのところに石の教会 内村鑑三記念堂があります。

軽井沢は何度も訪れましたし、建築も何度も見に行っていましたが、こんな教会が軽井沢にあるとは全く知りませんでした。

自然とひとつに調和することを目指すオーガニック建築というそうで、設計はケンドリック・ケロッグ氏という方です。

内村鑑三氏という方は無教会思想を唱えられているようです。

以下HPからの抜粋です。

無教会思想と響きあう、オーガニック建築による「石の教会 内村鑑三記念堂」。
信仰を持たずとも、心のどこかに祈りたいという想いがある人。信仰を持ちながらも、
祈るべき教会のない人。そして、何にもとらわれない精神の自由を尊ぶ人々へ。
この教会は、内村鑑三の想いを伝えるための「Memento(記念物)」としても存在する。

 

教会は森の中にあり、土の中からでてきた芋虫のような様相です。

なんとも表現が難しいので写真でご覧ください。

建物素材がコンクリートの打ち放し、石、ガラスという感じで、自然と大地と調和する建築を目指したようです。

内部に入ると光の差し込みが美しい空間でしたが、残念ながら教会の中は撮影不可でした。

この建物?、表現も評価も難しいですが一見の価値ありですし、見学歓迎という感じですから、ぜひ一度訪れて見られることをお勧めします。

次は、八ヶ岳の小海町まで走って小海町高原美術館に到着です。

ここも随分前から一度訪れたいと思っていましたが、なかなか機会がなかった場所です。

設計は安藤忠雄氏です。

1997年7月に竣工ですから、27年が経過していますが、割と綺麗な状態が保たれていました。

建築は外部も内部もコンクリート打ち放しと、ガラスの廊下と、まさに初期のころのザ安藤建築という感じの建物です。

さすがに高原というだけあって、周りは緑いっぱいで、庭には白樺が林立しています。

建物とは離れた場所に3階館の展望台がありますが、周囲の景色が見れるのかな?と登ってみると、なんと建物が一望できる展望台でした。

1997年ってバブルはじけた後ですが、よくぞこんな無駄?な展望台が造れたなーと感心します。

美術館としては内部の写真もOKですので、近くに行かれた際には寄ってみられると良いと思います。

そして、旅の最後は茅野市民館/美術館です。

設計は古谷誠章+NASCA+茅野市設計事務所協会JVで、建築学会賞作品賞を含め数々の受賞歴があります。

建物はJR茅野駅前にあって線路に隣接していて、茅野市の中心市街地活性化の核となる施設として建設されたそうです。

劇場、音楽ホール、美術館、図書室の複合施設に加え、中庭が大きいため、市民参加のイベント等も活発に行われているようです。

個人的には、古谷誠章氏の自宅がかなり好みだったので、ここも以前から一度見てみたいなと思っていた建築の1つでした。

古谷氏の自宅は下記です。

ZIG HOUSE/ZAG HOUSE | NASCA (studio-nasca.com)

建物が大きく外観を遠目でみれるところが限られているため、あまり全体像が確認できませんが、PC部材とカーテンウォールの組み合わせという感じでした。

以前、写真で見たときは夜景が非常に綺麗だという印象がありましたが、確かにこれだけガラス面が多いと漏れる光が多いでしょうから、夜景は綺麗だと思う反面、昼間は日光がさんさんと降り注ぐため、非常に暑いと思います。

事実、見学したときも熱気がこもっていましたし、ちょっとやりすぎかな?とも思います。

中庭は非常に広くて開放的で気持ちの良い空間ですし、そこに至るまでのエントランスを兼ねた門柱形状もどっしりしていた好感が持てます。天井と壁には短冊な木材を敷き詰めた感じもなかなか綺麗でした。

当日もイベントが行われていましたが、市民の憩いの場としても自由に出入りできるため、居心地の良い場所かもしれません。

こちらも、近くに行かれた際には寄ってみられると良いと思います。

サントミューゼ (santomyuze.com)

 

軽井沢千住博美術館 (senju-museum.jp)

 

軽井沢 石の教会 内村鑑三記念堂 (stonechurch.jp)

 

美術館について | 小海町高原美術館 | 小海町高原美術館 (koumi-museum.com)

 

茅野市民館/茅野市美術館 (chinoshiminkan.jp)

 

 

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