飛行機遅延で終電間に合わなかったときの裏技
絶望感しかなかった。
日付が変わった、羽田空港。
タクシーを待つ長蛇の列は、
ざっと200メートルほどに達していた。
◆◇◆
誤算だらけだった、
今年初仕事初出張の話は昨日書いた。
その続きがあったのだ。
事故のあった羽田の滑走路閉鎖の影響で、
新千歳空港発19時30分発の羽田便は、
出発が2時間遅れて21時30分発に変更していた。
乗ったはいいが、
なかなか飛び立たない。
機長のアナウンスによると、
羽田側の指示で出発の許可が下りないという。
離陸したのは30分以上経った、
22時過ぎだった。
◆◇◆
ちょっと微妙な時間。
公共交通機関、終電に間に合うのか?
たまたま一番うしろの、中央通路側の席。
通路を挟んで横はCAさんの座席だった。
―臨時のバスとか、出ます?
「全日空のバスではありませんが出ると思います」
と教えてくれたのだが、続けて言う。
「公共交通機関が終了した場合、全日空が1万5000円まで負担するのはご存知ですか?」
神か、全日空!(JALも同じだと思うが)
そんなシステムがあったとは。
天候不順以外の要因による遅延が条件。
終電がなくなった場合、
30日以内に請求すれば、交通費や宿泊代な、
ど1万5000円を上限に出してくれるというのだ。
羽田空港の事情で、全日空に問題はないのに、
適用してくれるという。
タクシー深夜料金で自宅までだいたいそのくらい。
何度も飛行機に乗ってきたが、こいつは知らなかった。
◆◇◆
あらためて調べてみる
↑この書類の記入と、
搭乗券や保安検査証など搭乗を証明できるもの、
タクシーの領収書
この3点セットで請求できるそうな。
◇◆◇
飛行機は深夜12時少し前に着陸。
こんな時間なのに着陸ラッシュで、
預けた荷物受け取りに異常に時間がかかる。
終電は終わっていた。
空港を出たら、目に入る長蛇の列。
タクシー乗り場から延びていた。
ここからまさか1時間も待つなんて。
静まり返った自宅にたどり着いたのは、
午前2時ちょっと前。
先が思いやられる初仕事だった。
タクシーの運転手は
「もう一回羽田に行ってきます!」
と、嬉しそうだった。