懐かしの教え子たち


 

 成績はふるわず どちらかというと

 最下層を歩いていた子どもたちのお話し

 上中下の 

 下の部分三段階の更に 

 上中下の其れ其れユニークで

 可愛かったわすれられない教え子たち

  成績はふるわなくても

 それぞれに成績では言い表せない

 キャラが立って印象深い生徒達であった


 トツブバッターは

 ムーミンパパに似た男の子S君

 成績は下ノ半ば ひょうきんなキャラで

 明るく皆を笑わせていた~

 

 給食時間はS君の独壇場!

 銀紙に包まれた正方形のマーガリン

 一口でペロリと

 結構食べない子もいて

 休んだ子のや私まで加わって

 沢山並べられたマーガリンの山

 時にはマヨネーズのパックとか…

 一気に口の中に放り込むのであった~

 意味悪くないの?! 

 問うと

 とってもおいシイ~ と

 ベタベタな口の中を開けてみせたりした

 昨今、脳の老化は 頭の中の油が

 足りなくなったせい!とのCMもあるが

 S君を見る限り

 そうは想えないのである…

 

 頭は普通なのだろうが

 暢気で何時も悪ガキとつるんで

 宿題もやってこない

 どうも忘れっぽい~

 責任感も著しく欠けていた

  学校図書室の本何冊も借りて

 一年も返さないで

 他のをまた借りる

 スイマセン…と謝っても

 また繰り返す

 キツく叱ると口を震わせ涙ぐむ

 今度はしないのよ!と赦すと

 ウンと頷いた次の瞬間

 腕で涙拭って運動場に

 元気に走りだしていった


 二人目は色白の女の子

 名前は忘れたのだが

 😁が身長のわりにはデカくて

 瞳の綺麗な子だった

  成績は下の上 

 おぼえているのは…

 とても情緒が安定した温和しい子で

 存在感は薄いが 人の役立つこと事を

 人知れず コツコツと

 何時も何かしていた…

 となりの子が消しゴムのかすを

 ソレも沢山

 散らばらせていると

 そっとあっめてゴミ箱に棄てていた

 またあるときは

 周囲のクラスメイトのふでばこや

 ペンケースをあっめてきて

 小刀で器用に削ってあげているのである

 教室内後ろにも 

 削り器は設置されて入るのだが

 カノジョいわく

 小刀で削った方が長持ちすると言った

 お父さんに教えて貰ったという

 こんな子は将来良いお嫁さんに…

 今にして想うと

 こんな子こそ 沢山世の中にいてくれたら

 どんなにか 世の中明るくなるのにと…

 家庭教育の

 すばらしさを教えてらえた気がした


 三人目も女の子

 この子こそ 

 成績は下の下なのだが…

 ある時一、ニ番を取ったことがあった

 ペーパー試験だけでは盲点があった

 この子はカンニング竹山ではなくて

 カンニングの天才?!

 

 私は呆れてしまった…

 満点の時があったのだ~

 何時もトップの子を追い抜いている

 そのカラクリは

 空欄を別の子の解答からチャッカリと

 埋めていたのである!

 何時もは勉強などしないから

 視力調べたらなんと2.0

 アレコレと席替え

 在るときは 対角線上に

 見えるはず無いのに 効果なく

 最後はカノジョ一人机を後ろ向きにして

 テストしたりして悪戦苦闘

 私が必死で追っかけても

 上手く交わされ 笑ってさえいる

 ヘタな鬼ごっこシテルみたい…

 

 何度やり替えても 効果は薄かった


 こっぴどく叱ったこともあった

 この子は緘黙児に近く

 知能のせいで答えられないのか

 喋ることができないのか?!

 判別が難しかった…

 彼女にとっては

 私はたいそうイヤな教師だったかと

 あからさまな 席替えの繰り返し

 何をやっても変化無く

 焦ったりして

 差別とも想えるような

 私の態度だったかと…

 口を酸っぱくして

 説教繰り返したから…

 

 にも拘わらず 私が風邪で

 学校を休んだとき

 彼女は私を尋ねてきてくれた

 何も言わずただ私の😁を見て

 笑顔見せてくれたのだ

 そして私が転勤する朝 

 家を尋ねてきてくれたのだった

  赤ちゃん背負った

 お母さんと一緒に笑顔で玄関先に…

 イチゴ🍓パック一つ

 手渡しで 貰ったのだつた

 ひと言 先生がとてもお好きと

 この子から聴いたので…と

 

 今にして想う

 あの子は 

 私をどんな目で捉えていたのかと…?!

 嫌ったり憎んで?いたのではなかったかと~

 家ではなんと話していたのだろうか…


  何も語らないまま 今に至っている

 あの子もこの子も

 私に沢山の

 人として 豊かに そして

 とても大切なことを教えてくれた

 可愛い子どもたちであったと…