世に出るって何だろう… 1

(文学と占いと)


 

 通勤の道すがら

 代用教員の二十六歳の女性は言った。

 二十代前半で芽が出なければ、

 世には出られない❗

 才能が無いのだから〜諦めろと…

 強く、吐き捨てるように言われた。 

 芸事一般を指しているようだが、

 どうやら彼女も作家志望だったものか?!

 その口調が今も耳元から離れない…


 占いでも言われてしまった。

 アナタは世には出れないヒト!

 大殺界が三つも四つも重なって

 抜け出す頃には人生いいトコ

 終わってる…ソレでも目指すなら別だけど~


 他にもたくさんの事を教えてもらえた❣

 ソレが全て当たっている❗

 プライバシーなので

 悪いことではないのだし

 これからの人の参考にもなって

 書いてかけないこともないのだけれど

 今は控えておく。

 ただ、千円で占ってもらった割には

 過去や未来の事がどんな占い師より

 言い当て無いことまで全て

 当たっていたので

 コレまで占いには

 道楽みたいに散々お金落としてきたから

 わかるのだけれど占いも

 値段や著名云々ではないと思っている。


 かってその昔、

 何とかの母の元祖に

 占ってもらったことが…

 今のバスタ辺で街占師をしていて

 雑誌等で取り上げられ

 一躍著名になった人

 街頭人だかりの中、友と離れ

 財布の中身も確かめもせず

 物見遊山で最後尾に並んだ。

 

 アナタは何処から来たの?

 仕事は何しているの?!

 いくつなの?!

 手相を見ながら質問ばかり~

 田舎者で世間知らズと読んだものか

 手抜きが始まった?!…

 またまた恥ずかしもなく聴いてきた…

 結婚はしているの?!

 子供はいるの…何人?

 

 呆れた〜❗

 挙句の果てが

 三千円ネと

 大きな宝石を付けた掌を差し出したのだった。

 よくよく見たら千円札が足りない。

 万札出して、お釣りはいらないわ〜

 とは余りに酷い占に、言う気にもならず

 生真面目が洋服着ているような私ダカラ…

 慌てたワタシは、ちょっと待って〜と、

 その場を逃げて友を探した。

 三千円、さんざん円と

 せわしなく足踏みしながら

 やっと探し当てた友からお金を借りると

 そのナンタラの母のところに戻り支払った!

 すると鳩が豆鉄砲くらったかのように

 目を丸くし、済まなそうに受け取ったのであった❣


 あまりの酷さに私が逃げ出したと

 勘違いしていた様子。

 認めた目であった…ネ

 だって手相見ながら質問ばかりで…

 しかも全然あたってな〜い❗


 男の人に手も握らせたこともなければ

 まして結婚はおろか、

 子どもも出来るはずもない〜

 こんなんだったら…私でも出来る❗

 世間の評判なんて

 (つくづくいい加減と思ったね〜)


 断っておくけど、全くウソついてないからね❗

 当たるも八卦当たらぬも八卦!

 当たるときもあるのかもしれないけれど、

 ほんとに、私のときはヒドかった〜


 ナンチャラの母は、

 たまたまバカアタリして

 嘘八百?口の上手さと時流のママに、

 雲の上に乗っかった?!

 一度当たれば、賞でも取れば馬鹿騒ぎ〜

 箔が付いてヒトも群がる…

 コンピュータも並み居るヒトもあまりいず

 時代も良かったか。

 運とは、

 そういうところも在るのかも…ネ

 ヒトの噂も、

 時として大いにアテになったり

 ならなかったり…



希望があるところには

必ず試練があるものだから。

村上春樹