【これから大阪での『So wonderfull!!』をご覧になる方は、絶対に読まないでください。ネタバレ多数です(笑)】
マニッシュ。
もういっそ、これがタイトルでもよかったんじゃないかなあと思う。壮さんの退団後初のディナーショー、『So wonderfull!!』
壮さん退団後のわたしは、そりゃあ、もちろんいつだって、次に舞台で会うのを待っているけれど、急かしたり焦らせたりするようなことはしたくなくて、フツーに毎日を楽しく過ごしながら、慶次のように大きな時間軸で「待っている」つもりだったけど、わたしをこんなに狂わせるのは壮さんだけだと改めて思いました(笑)。
もうすでに書いたことだけれど、男役ではなく、とても自然に男装をしていて、これがいまの自然な壮さんなんだなあと思って…。つまり、うー…。カッコよかった。きれいだった。
登場の仕方が「スター」でした(涙)。
雷鳴の音とともにライトがつくと、ポーズを決めた壮さんが立っている。ロックスターだ! KAZUHO SO だ! 『KAZUHO SO』のちょーおカッコよかった「くちばしにチェリー」のPVみたい。
さすが、澄夫チャン(笑)。わたしたちが何を待っていたかを、よーくわかっていらっしゃる(ありがとう)。
どアタマから2曲続けて東方神起の曲。…てのは後から知りました(笑)。聞いたことないもん、知らないもん。でも、確かにポップでかっこいいカッコいいっ!
懐かしい曲、聞きたかった曲を歌ってもらえるのはもちろんうれしいけれど、こうやって、知らなかった曲に出合えるのも、こういうショーの楽しみです。
いきなり大盛り上がりの曲のあとは、自己紹介のMCです。いつもの壮さん。やめて8カ月、まだ8ヵ月…、とか言ってたかな。ヒールをしきりと気にしてるのがかわいい。
壮さんのことを知り尽くしているであろう(笑)、桜一花ちゃんと初姫さあやちゃんという頼もしくも麗しい花組の娘役二人に囲まれて、話もはずみすぎちゃって。こうやって話しているうちに、緊張・のようなものもほぐれていくのでしょうね。
つづいて曲は、マイケル・ブーブレの「Feeling Good」と。わあ、このアルバム持ってる。確か、世界的な大ヒットになったアルバム『It's Time』の一曲目。壮さんも「大好きな曲」と言っていました。
ブーブレでは、花組時代のショー『ラブ・シンフォニー』で、黒燕尾姿の春野さんが大階段で歌っためーっちゃクールな曲が入ったアルバムに入ってる。「♪愛の 灯は いま 灯る It Had Better Be Tonight」ってヤツ。大好きだったの。春野さんの歌も、クールに黒燕尾で踊る壮さんも。
「Feeling Good」も、すごく壮さんに似合って、カッコよかった。「It Had Better Be Tonight』も、いつか壮さんに歌ってほしい曲の一つです。
つづいて、コール・ポーターの「I've got you under my skin」を客席に降りて。
なんだか、現役時代よりもサービスたっぷりでドキドキします(笑)。歌声もセークシー…。
これも大好きな曲。なつめさんも歌いましたよね。「アーイ・ガッチュウ…」ってとこ、大好きだった。
ここでいったん袖へ。いちかちゃんとさあやちゃんのトークのあと、ディズニーの「いつか王子さまが…」。かわいい。
「いつか王子さまが…」。この「王子さま」は壮さんのことと考えていいのかしら。それとも、壮さんも「いつか王子さまが…」なんて思ったりしているのかなあ。なんて考える。そのどっちつかずな感じも、なかなかいいもんです(笑)。
そしてここから、タカラヅカ・メドレーのはじまり。
もう、すっかりおなじみの『愛 燃える』の主題歌。このショーの演出をしてくれた酒井澄夫先生の作品というご縁もあるけれど、壮さんにとって本当に大切な曲なのだろうなと思う。新人公演の初主役。きっと、すべてはここから始まったのだ。
マイティこと水美舞人くんが『カリスタの風に抱かれて』で初主演をしたのですが、その舞台にも駆けつけたとか。新人公演で主演をすることがどれほど大切なことかということを、壮さんが知っているからかなと思いました。マイティから来てくださいって頼まれたのかな。
そして『虞美人』の「赤いけしの花」です。
この曲を歌ってくれて、本当にうれしかった。『虞美人』の芝居のラストに、死んでしまった項羽を思って、王となった劉邦が歌う「赤いけしの花」が素晴らしくて、もう一度聴けたらと思っていたのです。「タカラヅカ・スペシャル」でも、ディナーショーでもサヨナラショーでも聴けなかったこの曲を、こうして聴くことができる。
ありふれた言い方だけど、最後には歌が残るんだなと思いました。お芝居もショーも再現することは難しいけど、歌は、こうしてこれから先もずっと聴くことができる。壮さんが舞台に立って、歌ってくれさえすれば。
劇中の劉邦とは一転し、立派な天子となって、上手側の花道からセリ上がってくる壮さんの姿が思い出されます。
あの瞬間はいつも、息を詰めるようにして見つめていました。冠から垂れた飾りが少ーし揺れているところ、あれも虞美人草のようだったなあと、今頃になって思ってみたり…。伏せた目やまつ毛が思い出されます。
『虞美人』は、忘れることのない作品です。大好きだった場面とともに、映像には残せない、そのときそのときの空気感や、壮さんの身体から放たれていたものが、今でもわたしの体内に残っています。舞台だから可能だったドラマでした。
不意に、木村信司先生への感謝の気持ちまで甦ってきました(笑)。『歌劇』の「贈る言葉」には滂沱の涙でした。木村先生演出の『愛 燃える』の新人公演、『オグリ!』、そしてこの『虞美人』を通じて、壮さんは大きく成長させていただいたのだなと思います(おかしな立ち位置で申し訳ない(笑))。なぜか、トップになってからはご縁がなかったけれど、いつかまた、どこかの舞台でと願っています。
『若き日の唄は忘れじ』からは「恋の笹舟」。さあやちゃんとのデュエットです。ふくの手を文四郎さんが取るところで、もう涙が…。という、いーいところで、『心中・恋の大和路』の「この世にただひとつ」を一花ちゃんと。最高の組み合わせです。
そして、再びソロで、『一夢庵風流記 前田慶次』から「散らば花のごとく」を。衣装もメイクもない、いまの壮さんが歌う「散らば花のごとく」は、とても繊細に感じました。壮さんが歌っているのは変わらないんだけれど、慶次になった壮さんではなく、慶次だった壮さんが歌っているのだから当然なのだけれど、そうやって着替えるところを見せてもらったような、不思議な感覚がありました。
時間を置いて、タカラヅカの舞台から離れたところで聴くこの曲は、繊細さと豪放さが存在していて、まさに壮一帆だなあと思います。
うれしいのは、この曲が決して別れの曲ではなかったことです。せつないけれど希望に満ちていて、こうして、いまの気持ちにもぴったりとリンクしている。こんな作品に出会えてしあわせです。ファン冥利に尽きます。このかぶきまくった作品と大野先生にもお礼を言いたい気持ちになりました。
と、卒業式の父兄みたいな気分になっていると、さあやちゃんと一花ちゃんが、すかさず笑わせてくれる。実に場を心得たおもてなし(笑)。
ここで、中国・日本コーナーが終わり、タカラヅカ・メドレーの後半に入るということで、給水&お着替えタイム。羽織っていた着物から、紫色の変わり燕尾へとチェンジ。「なかなか見られない貴重なお着替え(笑)」を見せていただきました。
この紫色の衣装は、壮さんのサヨナラ公演だった『My Dream TAKARAZUKA!!』のデュエットダンスで着ていた衣装。「あゆっちと二人でくるくる回ってましたね」と、くるりと回ってくれました。裾がひらーんとしてきれい。
日本物の作品とご縁があって、たくさん演らせていただいたけれど、これからも日本物が続いてほしいし、雪組だけじゃなくて、ほかの組でも上演してほしいと、静かに話していました。
紫の衣装で歌ったのは、『ベルサイユのばら』の歌。「心の白薔薇」と「愛に帰れ」です。壮さんの「ベルばら」ナンバーはどれも好きです。歌のなりたちと、声質や歌い方がよく合っているんだと思う。シンプルで伸びやか。
朝海さんがオスカルを演じた東京宝塚劇場での『ベルばら』が、わたしが壮さんの舞台を観た最初でした。だから、アンドレがいっぱいなプロローグも大好きだけど、やっぱり、雪組時代の全国ツアーでのアンドレ役を思い出します。あれは特別中の特別。壮さんのアンドレは、自分のなかでは「事件」ともいえる出来事でした。
「愛に帰れ」も、大好きです。なんといっても壮さんのフェルゼンのために作ってもらった曲ですし。壮さんの声質によく合って、本当に気持ちいい。それにこの曲は確か、この日指揮とピアノ演奏をしてくださった吉田優子先生の曲でしたよね。ディナーショー「Bright」のときと同じ、背中が大きく開いたドレス。そこを突っ込むことを忘れないカズホさん(笑)。
ここでまたまたお着替えタイム。今度は袖に引っ込むと、一花ちゃんとさあやちゃんのWカルロッタで「すべては私のもの」。たーのしいー。歌い方といい、なんとチャーミングなのだと思っていると、間奏の短い合間に、女装した壮さんが舞台中央に顔見せ。女装といっても、金髪のカツラをちょこんとあたまに乗せて、手でドレスを当てているだけ。時間ないのに。こういうこともやってみたかったんですね(笑)。
またまた二人で、壮さんがとても凶暴なのだという話で盛り上がる(笑)。二人とも言いたい放題(笑)。だが、それがいい! さあやちゃんがポツッと言った、「皆さん、自分の体はご自分でお守りください』みたいな注意アナウンスがツボってしまいました。
猛獣取り扱い注意報(笑)。
思い出すのは、全国ツアーの『エンター・ザ・レビュー』の猛獣使いの場面や(一花ちゃんのかわいくってセクシーな猛獣)、中日劇場『ラブ・シンフォニー』の「Now on Satge」です。「かわいくないお花は摘みとるよ!」という暴言までが飛び出しました。そういう場面に、いつも立ち会ってきた二人ですから、丁々発止のやりとりにも納得です。みんなほかのお仕事だったあるだろうから、あまり言ってはいけないけど、ぜひこのメンバーで、第2弾、第3弾もと期待してしまいます。
その後は一花ちゃんが「悪いひと」を。かわいいいい。一花ちゃんには、いい舞台をたくさん観てもらいましたが、一花ちゃんでいちばん好きなのが、この場面です。小さいセシリィ。
ほんと、悪い人だわ、壮さん…。
と、壮さんへの思いと『アーネスト・イン・ラブ』を混ぜこぜにしているうちに、この場面は終わり、次に出てきたのは、かわいいいとしい、えりぎつね? ギヨメぎつね? 『星の王子さま』のきつねの壮さんが客席に現れていたのでした。
わああ。ディナーショーで壮さんのきつねに会えるなんて。素敵すぎる。ちょっとは期待してたけど(笑)。
トークショーのときだったかな、壮さんが断舎利中で、役を演じるための資料を処分していると言ったのだけど、あれがすごく悲しかった。『項羽と劉邦』も、『オグリ!』も、『星の王子さま』も捨てちゃうのかあと思って。でも、『星の王子さま』だけは、残しておいてもらえたらいいなと思っています。本当にすてきな言葉がたくさん詰まっているから。
「♪ 焦らないで 時間をかけるんだ 辛抱が大事だよ」
心で見なくちゃ、物事はよく見えない。肝心なことは目には見えない。
うん。サンテグジュペリの言葉がこんなに生きたものとしてじぶんのなかに入ってきたのは、壮さんのおかげです。壮一帆という役者を通して、生きたことばとして出合ったのです。
かわいいなあ、この役に出合ってよかった。
曲はそして、「風のささやき」から「ノクターン~群衆」へ。
どちらも大好きだった。そしてどちらも、退団後に聴くと、とびっきり胸に沁みる(笑)。
それはわかっていたのです(笑)。退団後に聴いたら、この曲はきっとせつなくなる。その未来を思ってせつなさを先に味わっていたから、さらにさらに好きになったのだもの。
その未来がいま。そして、その未来はずっとある。
これからもこの曲をずっと聴いてゆけるのだと思うと、ほんとうにしあわせだ。歌い続けてほしい、壮さんのショーの名曲です。
みりおんとデュエットした、大好きな大好きな船上のダンスは、さあやちゃんと。この場面のいっちばんのサビの部分、大好きだった。
恐れを感じながら、吸い寄せられるようにぴたりと寄り添っていって、踊るの。
くるくるくるくる。
心が寄り添っているのがわかる。きれい。永遠に回っていたらいいのに。
それから帽子もあったらよかったのに。壮さんのあの帽子投げの技、すごかった!
(え? そこ?(笑))
to be continued...