葉月さんは夫と2人の息子さんのいる4人家族。

子供の頃に遭ったいじめ体験、母親のスピリチュアル詐欺被害で一家崩壊の危機、重い自殺願望に苦しんだサバイバーさんです。

しっかり者の葉月さんに与えられた役割はとても大きなものでした


葉月さんのユーモアを含んだその文章に惹き込まれ、小説を読んでいるような気分でブログを読ませて頂きました。

かなり壮絶な体験をされ、乗り越えて来られた葉月さん。

今日はそんな葉月さんのストーリーを紹介したいと思います。



 家族と生い立ち

葉月さんは、会社勤めの父、母、姉の皐月さん、葉月さんの4人家族で、次女として育ちました。

3つ上の姉は美人で勉強もピアノもできる優秀な学生で、葉月さんも憧れる存在でした。

葉月さんはというと、外交的で運動が得意な元気な女の子だったようです。



 学校でいじめに遭う姉と葉月さん

葉月さんが小学校5年生、お姉さんが中学2年生の頃に、お姉さんの同級生Aさんがお姉さんをいじめ始めました。

原因はその同級生Aさんが好意を寄せていた陸上部の男の子(B)から、葉月さんのお姉さんが告白を受けたからでした。

同級生Aさんの気持ちを知っていたお姉さんはその告白を断りましたが、同級生Aさんはお姉さんに逆恨みし、

「私がB男のことを好きなの知ってるくせに‼︎

「この泥棒猫!」

などと言ってお姉さんを仲間外れにしたり暴言を吐いたりといじめたそうです。


そしてその影響がついに葉月さんにも出てしまいます。

同級生Aさんには葉月さんと同い年のリカという妹さんがいました。

リカさんはお姉さん(同級生A)から葉月さんのお姉さんのことを聞き、なんと姉の仇とばかりに葉月さんをいじめ始めたのです。


葉月さんはリカさんがなぜ自分をいじめるのかさっぱり理由がわからず、その理由をリカさんに聞きますが、リカさんは「自分(葉月さん)の姉に聞けば」と言って教えてくれません。

はじめは混乱していた葉月さんでしたが、お姉さんにいじめのことを相談してしばらくして、ようやく一部始終を理解するに至りました。。。


葉月さんが自分のせいで学校でいじめられているということを知ったお姉さんは、それ以降学校に行けなくなり、部屋に引きこもるようになってしまいました。

美人で優等生な反面、元々繊細で人付き合いが苦手だったお姉さんには学校は恐怖でしかなく、また葉月さんのいじめ問題を知って心がポキッと折れてしまったのでしょう。


ここから上手くいっていた家庭が崩れて行きます。。。




 いじめに対抗する葉月さん

お姉さんとは対照的に葉月さんはいじめに負けるものかとリカさんに対抗します。

いじめられることの怖さをひしひしと感じながらも勇気を振り絞って対抗する葉月さん。

その姿に、始めはリカさんに付いていたクラスメイトも、徐々に葉月さんの方に寄ってくるようになりました。

やられっぱなしではなくやり返す葉月さん。こうして不利な状況から有利な状況へと変わっていきます。

なかなかできるものではありません。すごいですね


一方で、家に帰ることに恐怖を感じていた葉月さん。

その頃のお姉さんは親から学校に行くように何度もプレッシャーを与えられ、そのせいで精神不安定になり精神科にかかっていました。

自殺未遂をしたり家庭内暴力で母親を殴ることもあったそうで、葉月さんが学校から帰る時に2人が死んでないかと怯えながら帰っていたそうです。

今でこそ不登校を認められる世の中になってきましたが、昔は何があっても学校に行くのが当たり前みたいな空気があったので、心の逃げ場がなくてお姉さん相当辛かったと思います。


両親はそのうち学校のことをお姉さんに言わなくなり、徐々にお姉さんの精神状態は良くなっていきました。

昔のように姉妹で楽しく話せる時間も出てきたようです。

そんな時にに母親が言った一言でまたお姉さんの精神状態は悪化していきます。


「受験どうするの?」


いじめが原因で対人恐怖症になっていたお姉さんにとって、この母親の一言はとても残酷な質問でした。

その頃お姉さんは中学3年生。

将来を心配して質問した母の気持ちも分からなくはありませんが、その頃のお姉さんに学校のことを思い出させるのはマイナスでしかありません。

お姉さんはまた精神不安定な状況に戻ってしまいました。



 リカさんとの和解

小学6年生の頃、修学旅行のしおり作りをリカさんと2人で担当することになった時のこと。

葉月さんの反撃の効果もあり、その頃リカさんはクラスメイトからも総スカンを食らっていました。

理由は過去に色んな友達を気まぐれでいじめていたから。


放課後しおり作りのため2人だけで作業していた時、会話の中でリカさんが放った言葉に葉月さんはハッとします。


「私、もう二度とそういうことしないって決めてるから。もう出来ないよ、やられる側の気持ち、よく分かったもん」


これまではリーダー的存在でクラスメイトをいじめることが多かったリカさんですが、逆の立場を体験することでやられる側の気持ちを学んだのでした。

リカさんの変化に葉月さんは驚き、自分はこれで良かったのかと心が揺れました。


それでもリカさんのお姉さんのせいで無茶苦茶になった自分の家を思い出すと、リカさん姉妹を許せない葉月さん。

リカさんが葉月さんのお姉さんの高校受験について触れた時にカッとなって、リカさんもリカさんのお姉さんも一生許さないと宣言したのでした。



 先生のいじめ

クラスで男子のリーダー的存在の武田君がクラスメイトの愛ちゃんをいじめ、それを知った担任の先生は2人を喧嘩両成敗と言って無理矢理仲直りさせました。

ふでばこを壊されたり上履きを隠されたりバイ菌扱いしたりといったいじめです。

先生はこれまでろくに生徒の話を聞かず、武田君を贔屓することでクラスの女子から反感を買っていました。

学校から帰る前の終わりの会の時に、葉月さんを筆頭にリカさん、他の女子生徒と続き、クラスの女子生徒全員が先生に矛盾を訴え反撃しました。

うろたえる先生ですが、反撃する余地も与えられずクラス内は男子生徒も加わり大騒ぎ。騒ぎを聞きつけた他の先生によってようやくお開きになりました。


その後教育委員会まで話が行き、学校総出でいじめ問題に取り組んだそうです。

すごいですね

まるでドラマのような展開です。


続きます。