前回、前々回の記事はこちら。
今日はスピリチュアル詐欺についてのストーリーです。
キリスト系教会を装った詐欺
無気力になり学校をよく休んでいた葉月さん。
その頃は
家を出たい→手っ取り早くお金を稼ぎたい→売春でもしようか、などと考えたり、大好きな父親を守るために邪魔な女子3人(葉月さん、母、お姉さん)殺人計画を立ててみたりと突拍子もない妄想を真剣に考えていました。
逆に言えば、こんな風に考えなければいかないほど葉月さんの心は追い詰められていたのです。
そんな時にズカズカと知らない人たちが急に家に入って来ました。
母親が読んだキリスト教会の人たちでした。
そして葉月さんは来た人たちの中のリーダー格らしき中年女性(美人副牧師)に優しく声をかけられ抱きしめられました。
パンパンに張り詰めた何かが一気に吹き出し、不覚にも葉月さんは号泣してしまいました。
それでも葉月さんは、直感的にその人たちに違和感を感じています。
丁度良いタイミングで友達の愛さんが来たので、葉月さんは必死に止める母親を手を振り解いて逃げるように家を去ったのでした。
https://ameblo.jp/rina0110111/entry-12650244837.html
ためらいながらも友達に相談
逃げるように家を出て向かったのは愛さんの家。
小学生時代弱虫だった愛さんは、中学生になって強くなり、弁護士を目指して頑張っていました。
弁護士を目指すようになったきっかけは、小学生時代にいじめられていた自分を葉月さんとリカさんが守ってくれたことからでした。
自分も誰かを助けられる人になりたい。その武器として愛さんは法律を学ぶことを選びました。
そんな愛さんの変化に葉月さんは驚き胸を打たれました。
葉月さんの家庭事情を聞いて、何もできない自分が悔しいと顔をぐちゃぐちゃにして泣く愛さんに葉月さんはビックリします。
こうやって自分を真剣に想ってくれる友達がいるのはすごく大きいですね…。
葉月さんはキリスト教会のことについても愛さんに話し、税金のことなど色んな知識を得ることが出来ました。
カルトに乗っ取られた家
中学2年生に上がり、クラス替えで英語部の友達とクラスメイトになることが出来た葉月さん。
普通に友達と話せることに幸せを感じ、再び葉月さんは学校へ生き始めました。
そしてそれがキリスト教会(K教会)のおかげだと母親は勘違いし、姉のことも癒してもらおうと、母親はより一層そのK教会にはまっていきました。
「K教会のお陰で再び学校に行けるようになったけど教会に来ない恩知らずな葉月さん。」
「どんなにK教会が施しても拒絶し続ける無礼なお姉さん」
K教会はこのようにうまく言って母親の弱いところを責め、その責任として「家庭集会」の義務を負わせました。
家庭集会というのは、信者たちが葉月さんの自宅に訪れ集会するというもの。
そして集会当日、葉月さんが家に帰ると家の中は信者でいっぱい。
家の中を走り回る子供達に叱ることもしない親たちに葉月さんは唖然とします。
さらには子供達がお姉さんの部屋の鍵を壊し、中に入りお姉さんを脅かして遊んでいました。
怖がるお姉さんを見て葉月さんは子供達を叱り締め出します。
あまりの惨状に、お姉さんはいつもより多めに睡眠薬を飲み眠ってしまいました。
https://ameblo.jp/rina0110111/entry-12651347382.html
家族や家よりも信者を優先する母親に葉月さんは苛立ち、逆に信者に威嚇する葉月さんに苛立つ母親。
母親のビンタを阻止した発表さんは周りの信者にサタン呼ばわりされました。
https://ameblo.jp/rina0110111/entry-12651532706.html
教祖登場
前回会った美人副牧師とともに牧師(教祖)がついに現れました。
皆で聖歌を歌ったり聖書を読んだり説教を聞いたり、持ち寄りの夕食を食べた後、教祖が「ヒーリング」と称したインチキを皆の前でデモンストレーションしました。
信者から大喝采が湧き、唖然とする葉月さん。
母親を見ると母親も周りに合わせています。
時間を見ると夜の9時を過ぎていました。父親が帰ってくるのはいつも大体11時ごろ。
それでも信者たちが帰る気配はなく大騒ぎしています。
そんな時に近所のお兄さんからうるさいと苦情の電話が入り、警察に通報するぞとプレッシャーをかけられました。電話を受けた葉月さんは咄嗟に警察に通報して欲しいと頼みます。
https://ameblo.jp/rina0110111/entry-12654466247.html
警察に通報
近所のお兄さんには後で折り返すから待っていてと伝え、葉月さんは愛さんに電話で相談しました。
そこでアドバイスをもらい、
①騒音被害を理由に近所のお兄さんから匿名で110番してもらう
②愛さんから信者の車の違法駐車を理由に警察に通報
教祖達が葉月さんのお姉さんを癒すためお姉さんの部屋がある2階に登りかけ、葉月さんと一発触発、睨み合っていた時に警察が家に訪れました。
間一髪でした。
1度目の警察訪問で少し怯んだものの、まだ帰ろうとしないK教会の信者達。
2度目の警察訪問でやっと教祖が諦めお開きになりました。
https://ameblo.jp/rina0110111/entry-12654714123.html
家族会議
父親が事の顛末を知り大激怒しました。
葉月さんが精神的に追い詰められていたことを知った父親は葉月さんに一人暮らしを提案しました。
葉月さんが喜んだのも束の間、父親が一生懸命働いて貯めた貯金を母親がほぼ全てスピリチュアル詐欺につぎ込んでいたことが発覚し、父親は怒り心頭で離婚寸前までいきましたが、姉のことを想い様子見になりました。
そのタイミングで父親はどうしても自分がいないとできないプロジェクトを会社に任され一年海外赴任しなければならなくなりました。
完全に信用を失った母親のことは信じられず、父親はまだ中学2年生の葉月さんに家計管理を任すことにしました。
もう葉月さん自身も母親を母親と呼ぶことすら嫌になるぐらい母親に対する感情は冷めていました。
https://ameblo.jp/rina0110111/entry-12655111017.html
父のいない生活
海外赴任する前に父親がK教会に乗り込み、2度と家に来るなと強く言った効果もあり、信者達はしばらく来なくなりました。しかしそれも始めの2週間ぐらいでまた我が物顔で家に来始めました。
父から預かった預金通帳やハンコを葉月さんは守らないといけません。
ホームセンターで3種類の鍵を買い、葉月さんや父親、お姉さんの部屋のドアにそれぞれ3個ずつ鍵をつけたり、家の中に盗聴器をつけました。
一つ幸いだったのは、共通の敵(母親)ができたことでお姉さんと葉月さんは急速に仲直りすることができ、葉月さん自身が弱音を吐ける場所ができたことでした。
ただいつやってくるか、何をしてくるかもわからない信者達そして母親から大事な物や人を守らなければいけないという強いプレッシャーと、やりたくてやっているのではない(せざるを得ない)という気持ちの中で、葉月さんは日に日に押しつぶされ、気がついたら「死にたい」と考えるようになっていました。
https://ameblo.jp/rina0110111/entry-12655584462.html
カルト教会牧師の嘘を暴く
K教会の教祖の経歴に興味を持っていた葉月さんは、ある日信者の誘いに乗ってK教会に足を運びました。
実は家庭集会の騒音で警察が家に来た日、教祖が警察に提示した免許証を見た葉月さんは教祖の経歴に疑問を持っていたのでした。
教会で教祖と2人で話をした時に、葉月さんは教祖の経歴のおかしい部分を指摘したところ、逆に教祖に知った理由を問い詰められてしまいます。
急に葉月さんの胸を触ってくる教祖に驚く葉月さんでしたが、葉月さんは
①信者を家に来させない
②母親をK教会から追い出す
この2点を条件に、教祖の経歴詐称のことは口外しないことを提案し、それをのんだ教祖はお金を挟んだ本を餞別(口止め料)に葉月さんに渡しました。
その後信者が教会に来ることはなくなり、母親も「追放」という形でK教会から追い出され、ようやくK教会からの解放されたのでした。
https://ameblo.jp/rina0110111/entry-12656063931.html
もう少し続きます。






