雨が続いてなかなか自転車に乗る機会がとれなかった。多摩湖もそろそろ飽きてきたので、奥多摩湖にでも行こうかと思っていたが、雨の後数日はトンネルの中が泥濘んでいるので、安全では無い。そこで、もう一つの定番の練習コースに出かけてきた次第である。
 コースは、立川市街を抜けて、日野橋から多摩サイ(多摩川サイクリングロード)に入り、下流にある南多摩駅まで走る。そこから始まる「連光寺坂(表)」と「記念館通り」、そして「いろは坂」が今回の目的地である。


 
   〈日野橋横〉       〈上がった所〉

 多摩サイは本来自転車道ではないらしい。犬を散歩させる人、走る人等が混在する場所である。自転車乗りにとっては奥多摩の山に向かう格好のルートで、休日には多くの人がトレインを組んで(一列になって)かっ飛ばしている。地元自治体にとってはこのあたりのところを目の敵にしているようで、何とか自転車(特にスポーツ車)を閉め出そうと路面に凹凸を作ったりしている。自転車を知らない役人の考えることなので、全く何の意味も無いことに気づいていないようなのだ。ある程度乗り慣れたローディ(ロードバイク乗り)は全くスピードを落とさずに通過している。もし、影響があるとすれば主婦や老人の自転車では無いだろうか。どうも話が逆になっているようだ。さらに最近は電動アシストの自転車に乗った主婦や老人が爆走していることもある。彼等はルールを守るという観念がないので、こちらの方が遙かに危険であると思う。

 

 
    〈多摩サイ〉                   〈多摩丘陵を望む〉

 ジブリの映画で「平成狸合戦ぽんぽこ」というのがあったが、ここはその舞台である多摩丘陵の一部(端の方)になる。連光寺坂(表)はだらだらとした登りが2.4キロ続く。傾斜はたいしたことはないものの(3.4%)、距離があるのでそこそこ辛い。坂の左手が横田基地の施設になっている。遊戯施設や乗馬場、そしてゴルフコースが見える。頂上近くになると、右手側も(日本の)ゴルフ場になる。ここを若い人たちはかなりのペースで上っていく。二年前、この坂を10本続けて登ったことがあって、その時「何を意識して走るのかによって、練習の成果は大きく変わる」ということに気づいた。勉強と同じということだ。

 

   
 〈連光寺坂(表)〉     〈米軍施設の警告〉

 さて、連光寺坂上からそのまま脇道を下り、向ノ岡の信号を左折すると、「記念館通り」の表示が見える。ここはかなりの激坂で(平均斜度7.5%)、距離にして1キロ弱というところか。中盤は文字通り壁のように(斜度15%)行く手を阻む。そんなところでも、かなり住宅が建ち並んでいる。車なしでは生活できないだろうと思う。ヒルクライムの練習にはもってこいの場所だと思うのだが、なぜか他のローディと出会ったことが無い。みんなここをパスして尾根幹(オリンピックのコースの一部)の方に行ってしまうからだろうか。私にとっては、ここを上ることが脚力の状態を確認する良い手段になっている。今回はあまり息が上がらずに登れたので、少しは脚力が戻ってきたのかな、と思う。登りきった先が通称「天国への階段」で、定番の練習コースである尾根幹に繋がっている。

 

  
    〈記念館通り1〉      〈記念館通り2〉    

 ここから再び連光寺坂上に戻り、連光寺坂(裏)を下って、こんどは聖蹟桜ヶ丘駅に向かう。目的地はいろは坂である。ここもかなりの斜度(6.7%)があり、毎回何人かのローディを見かける。勿論、私をどんどん追い越していく。私もあと10キロ程度痩せれば、あのぐらいは行くんじゃないかと思うのだが、実はそこが一番難しい。昨日医者に「この夏肥ったんじゃ無いですか」と言われてしまったぐらいだ。

 さて、いろは坂というから三回大きくカーブするのかと思っていたら、実際は「いろはに」ぐらいになっているようである。登り切ったご褒美が、下の写真。そして、その先に珍しいロータリー式の交差点がある。出来心でぐるっと回ってみたら、帰り道を間違えて違う道に入り込んでしまった。慣れないとうまく通過するのは難しいかも知れない。ここはジブリの「耳をすませば」の舞台だそうで、いまでも聖地巡礼に訪れる人がいるようだ。映画そのままの景色が広がっているので、ファンにとってはたまらないだろうな、と思う。しかし、ここも坂の上まで瀟洒な住宅が立ち並び、歳を取ると住むには辛い所だろうと思う。


    

       〈いろは坂〉      〈頂上からの眺め〉

 


 〈ロータリー式交差点〉

 さて、帰りは関戸橋を通って再び多摩サイを戻る。今度は川上に向かうので緩やかな登りになる。そのせいかあまりスピードは出ない。全30数キロ程度の距離だが、家に戻ると結構足に来ている。シャワーを浴びて、ソファーでスマホをいじっていたら、いつの間にか眠ってしまった。