旅する筋肉会社員ソラです。
3泊4日で劔カニ盛り（タテ、ヨコ、ハサミ）を堪能する、山行記です。
【山行 ２日目 カニのハサミ・よこばいDAY】
3時起床、4時過ぎ出立。
今日は剣山荘まで。長旅なので、気を引き締めてかかります。
ヘルメットにライトを装着して、樹林帯を慎重にすすみました。
途中でご来光
次第に岩稜帯となり、ポールは使わずに4本足で登っていきます。
呼吸を意識して、体力温存をはかります。
山頂から剣山荘への下りに、いかに足を残すか。
これが、今日最大のミッション！
登頂は二の次、通過点でしかありません。
早月尾根のクサリ場は、ハサミも含めて、別山ルートにあるような、激しく
アクロバティックな場所はありません。
このことが、このルートに比較的山行経験が浅いと思われる方々や
年齢が高めのグループが多い理由のように感じます。
カニのハサミで、テン場のご近所ソロさんが登頂を果たして降りてきました。
お互いの健闘と安全を声かけして別れます。
早月と別山の分岐に到着。下をながめると、別山ルートから大勢の方が登って
くるのが見えました。岩場に、ヘルメットの花が咲いているよう。
分岐からしばらく登ると、あの有名な劔岳山頂の「お社」の裏が見えて、感動！
そして登頂。まわりの方に写真を撮っていただきました。
晴天で風も弱く、富士山も見える絶景。
富山湾側は、既に雲が上がっていて、視界不良。
夏は、この雲が10時くらいには山頂を覆ってしまいます。
だから、早出早着。
山頂を出立。一路、剣山荘へ向かいます。
早月と別山の分岐まで戻り、別山ルートに入ります。
私は下りが苦手なので、自分の身体能力に合わせた判断と、行動を心がけます。
クサリ場で、数人が話し合っています。1人が「足の置き場所が見えない！」と
言っています。
見えない？なんのこっちゃ？と思い、ひょいと横をみると、
岩のプレートに「カニのよこばい」の文字。
か に の よ こ ば い
マジか！
見なきゃよかった！
冬山をキッパリ辞めたときに、いちどは思ったんです。
北アはもう行かない。
堕ちるようなことはもう、しない。
でも、来てしまいました。
ここは、腹をくくりましょう。準備して、望んでここへ来たんですから。
ここを超えなければ、剣山荘のシャワーを使えません。布団で眠れません。
先行者が「1足目は右足ですよ、左足を置きたくなるけれど、右足！」と
教えてくださいました。おかげで無事にクリア。感謝しかありません。
しかし、寿命が8年縮みました。
平蔵のコルを登っていると、左の登りルートで不吉な音がします。
見ると、片手に2本のポールを握りしめ、反対の手に鎖を握った男性二人組が、
必死の形相で、前向きにズルズルとずり落ちていきます。
下までずるずる、足を使わずに体と岩の摩擦だけで下降。
こういう方法もある…のでしょうか？？
岩場で衣服や靴が擦れる音は心臓に悪いです。
寿命が2年縮みました。私の、LIFEの帯が、やばいです。
そうこうしているうちに、一服劔に到達。
うわぁ、と思わず声をあげました。
別山ルートは早月側とは、全く景色がちがいます。
これぞ、夏の高山！という景色です。
剣山荘の赤い屋根が見えて、減ったLIFEの帯ががグーン！と右に伸びました。
さぁ、剣山荘までがんばろう！
剣山荘への下りは、浮石だらけのガレ場。別山尾根きっての、事故多発地帯です。
小屋が見えてからの事故が多いのは、どの山域でも同じ。
小屋に近づくにつれて、『お花畑の白い道を、赤い屋根の小屋に向かって歩いていく』
という、とてもメルヘンチックな状況になります。
はやる心をおさえて、慎重に足をすすめました。
小屋に到着。
受付けを済ませて荷物を部屋にまとめたら、ちょっとお散歩。
そしてお昼寝♪
めちゃめちゃ贅沢な時間の使い方です。
シャワーの案内が来て、一目散に向かいました。環境保全のため石鹸などは一切
つかえませんが、清潔なシャワー室でお湯を堪能しました。
夕食は彩がよく、ご飯とお味噌汁がお代わりできました。
カニのよこばいを超えてきて、ヨカッタ。
同室者は、私を入れて計4人。全員ソロで、とても楽しい方々でした。
私以外は室堂から登って来て、あす朝、剱岳にアタック予定。
3時起床のため、早々に就寝しました。
あすは、もういちど剱岳に登って、早月のテン場に戻るぞー！
本日の行動時間：6時間45分
④に続く