過去に海外でそろばん教室を経営されていて、今後日本で開校することを検討されているという方から、「そろばんを学ぶ意義」についてご質問をいただきました。
今回はその方へのご回答を兼ねて、当教室の考えを改めてまとめてみました。
質問者の方によれば、海外では一般的な学力として計算力に重きを置いておらず、そろばんの魅力を伝えることが難しく感じられたということでした。
ですが、程度の差があるのかも知れませんが、これは日本にいる私も感じている内容になります。
例えば、「計算力ってそんなに必要?」、「そろばんなんて今の時代に必要ないでしょう?」という質問を受けることは多いです。
そろばんに興味がない親族・友人などからはもちろん、体験授業に付き添いで来られたご両親の一方はそろばんに対し懐疑的な考えをお持ちで、そのような質問を受けることが少なくないです。
そのようなとき、私は「計算力は足の速さのようなもの」だと説明しています。
「足の速い人がサッカーや野球を必ず上手なわけではないですが、スポーツ全般が得意になりやすい傾向があると思います。」
「それと同じように、計算が得意な人は算数や数学を必ず得意なわけではないですが、得意になりやすい傾向はあると思います。」
という話をすると、比較的理解してもらえると感じています。
また、計算力やそろばんに否定的な人に対し、「そろばんには計算力の他にもこんな効用があります」という説明を見聞きする機会は多いです。(私も多少はしています。)
ですが、計算力にそこまで魅力を感じていない人に対し、そこはあまり響かないように思います。
なぜなら、計算力以外の能力を伸ばしたいなら、そろばんでなくても良いからです。
そして、計算以外はそろばん経験者以上にできるそろばん未経験者の人も、世の中にはたくさんいるからです。
ですので、計算力以外の効能をあれこれと強く打ち出すのは、「これを飲めば何でも治ります」という薬を売るような胡散臭さを与えてしまうと考えています。
そのため当教室では、計算力にそこまで魅力を感じない方には、そろばんを無理に勧めないようにしています。
ですが、それではそろばん式暗算を自転車と同じくらい普及させたいという私の目標が達成できません。
そこで当教室としては、まずは「計算力に魅力を感じている人にそろばん式暗算を広めること」に全力を尽くそうと考えています。
周囲にそろばん式暗算ができる人が増えてくれば、計算力にそこまで魅力を感じていない方にとっても、それは身に着けて当たり前の能力と認識してもらえると思うからです。
ということで、「計算力に興味があるよ!」という方は当教室にお越しいただければと思います♪