さくら学院は他と一体何が違うのか。



BABYMETALが他のアイドルとどこが違うのかは比較的説明しやすい。

トップレベルのアイドル力と本格派メタルサウンドの融合は発売中の

ライヴDVDで容易に確認出来る。

全く新しい現象だから海外でも火が付いた。それは真っ当な評価で

日本が遅すぎるくらいだと思う。




では、さくら学院はどうか。

これが知らない人に魅力を説明するのが非常に難しい。

とりあえず、自分の体験を織り交ぜながら検証してみたいと思う。

さくら学院は、開校した2010年頃から名前と存在くらいは知っていた。

その頃の印象は「小学生もいるの?」って感じ。

通常、アイドルと呼ばれる女の子は十代の後半、つまり高校生や大学生くらいの

年齢であって義務教育までしか在籍出来ない「成長期限定ユニットさくら学院」と

向き合うには正直抵抗があった。

今思えば、その小学生が現在BABYMETALのゆいもあであった訳で

自分の見る目のなさを後になって後悔することになるのである。



ある父兄(ファン)さんのブログにこうあった。

「さくら学院とは今見られないアイドルである」と。

学院の主なライヴは「転入式」「学院祭」「卒業式」。学校行事そのものである。

アルバムは年に一回3月にその年度の卒業アルバムのような形で発売する。

最新シングルは、「学べるシリーズ」という伝統のシリーズ。

今回は算数がテーマで歌詞やPVに算数が反映されている。

この運営方法でミリオンを狙っているとは到底思えない。

有料イベントに真剣なパフォーマンスで応えるのは当たり前のことだが、

学院在籍中はあくまで独り立ちするための訓練機関なのである。

そう、彼女たちの本領は卒業後の話なのだ。

中学卒業時というタイムリミットが明確にあるのも他のグループとは違う。

それまでに、自ら進路を決め自分に足りない部分を努力で補っていく。

あるメンバーは先輩から何を教わったのかと聞かれて「けじめ」と即答した。

歌でもダンスでもなく「けじめ」だ。

また、あるメンバーは習字の授業でメンバー全員の名前をフルネームで書いた。

どんな文字でも代用出来ない絆をそこに感じることが出来る。

そう、さくら学院とは歌やダンスはもちろん、人間力を磨いていく学び舎なのだ。

父兄はまるでわが子を見る様に彼女たちの成長過程を一緒に体感していく。

ここには、今ではなかなか見ることが出来ない一生懸命がたくさん詰まっている。

自分が同年代の時にやり残していたことを彼女たちが代わりにやってくれている。

だから、夢に向かって行けるように後方支援してあげたくなる。

そして、彼女たちはその代わりに最大級のありがとうと目もくらむキラキラ感を

届けてくれるのだ。



さくら学院に出会えたことに対して

今は誰に何を言われても構わないと思っている。

このピュアさを理解出来る大人でよかったと心底思う。