沖縄の問題 | 働くおじさん

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東京出身で沖縄在住の40歳おじさんが
ひたすら働くブログです。

先日、買いたい本があったので、

ハンビータウンにある本屋へ。

 

どこにあるか探していたら、

パッと目に入った一冊の本。

 

「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」

 

なかなかストレートなタイトルだなーと思いつつ、

買いたい本を探す。

店員さんが見当たらなかったので、

何も買わずに帰ろうと思ったけど、

さっき目にした本が頭から離れなくなる。

 

沖縄に住んで離島を合わせたら、

約10年になる。

昔から、

基地問題や低所得、格差社会などは知っていたが、

あえてそれを調べようとは思わなかった。

だけど、たまたま本屋で目があって何かの縁を感じて

買ってみた。

作者の樋口耕太郎さんも本土の方で

自分も本土出身だから

どういう目線で書いているかすごく気になった。

 

読みだしてから、

自分は良いことだと思ったことが

本当は良いことではないのかという思いになった。

 

例えば、自分は車を運転する時に

急に横から割り込んで車が車線変更してきても

「あぶないっ!」とは思っても

クラクションは鳴らさずこっちが減速すれば良いとなる。

 

沖縄県民も車の運転で、そういった場面があっても

あまりクラクション鳴らしたところを見たことがなかった。

 

それは沖縄県民が温厚で優しい性格だからかなと思っていた。

 

だけど実際はクラクションを鳴らさないのではなく、

鳴らせないのだという。

 

どういうことかというと、

鳴らした方が車線変更をした車を譲る余裕のない人と思われ、

被害者なのに加害者側になってしまうというのである。

 

そういう感覚は自分にはなかったけど、

調和を大切にする県民性がかえって

間違ったことに対する注意をできない雰囲気になるというのである。

 

これはなかなか深い内容だなと思い、

どんどん読み進んでしまった。

 

思えばうちで働いてくれているスタッフの何人かは

以前働いていたバイト先でイジメにあっていたという。

 

確かにそのスタッフは個性的な面もあるので

調和を大切にする職場だど、

異端児扱いされてしまうところがあるのかもしれない。

 

でも、その彼は心は優しくまじめなところもあるので、

うちではムードメーカーの面白いスタッフとして可愛がられている。

 

また沖縄の長男問題もある。

スタッフの1人は兄弟がいない長男で、

仕事はできるがなぜかあまりやる気を感じない。

 

ぼーっとしてる時がたまにあるので、

どうしたものかと思っていた。

 

だけど、この本を読んでから

そのスタッフに話を聞いたら、

 

本当は本土の大学に行きたかったけど、

親に反対されて沖縄で仕事をするように言われたという。

彼からやる気を感じないのは、そういった背景があり、

やりたいことできない無力感が漂っているのかもしれない。

 

本を読み終えてから、

色々と考えてみた。

 

自分は東京出身で長男として産まれたけど、

単身沖縄に来て自分が自由に生き方を決めれて、

 

結婚して婿になって家族ができた。

 

自分がやりたいように自由に生きることが当たり前だと思っていたけど、

それが簡単にできることではないのだと痛感した。

 

だけど、自分はそういった人達にできることはないのかな?

と思うようになった。

 

幸いうちで働くスタッフは初めてバイトをする人だったり、

個性的が強い人、

コミュニケーションが苦手な人もいる。

 

だから、そんな人達に駆け込み寺とまでは言えないけど、

 

彼らの良い所を引き出して応援できる職場にしたい。

 

御親心は自分の子供だけでなく、

 

次世代に生きる人達にも必要だと思うようになった。

 

そういえば妻も結婚する前にこんなことを言っているのを

思い出した。

 

「長男で婿になってくれる人は沖縄にはなかなかいないから、

のぶ君と出会えて良かった」