ゲーム感想『白昼夢の青写真(2020)』 | 15人の転校生と同時にぶつかる事はできるのか?

15人の転校生と同時にぶつかる事はできるのか?

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ここから移転してきました。

  • 主人公の「海斗」が夢を通じて3通りの物語を追体験していくという導入の、Laplacianのアダルトゲーム。Switch版をプレイした。多分プレイ時間は20時間くらい。
  • 既プレイの人からは物凄く評判のいいゲームなんだけど、不倫の描写があると聞いてしり込みしてしまっていた。不倫の話は読み始めると楽しいんだけどそこまで行くハードルが高くて。でもやってみることにした。
  • 3つの夢の順序はランダムだけど、僕はCase2(ウィル)、1(有島)、3(カンナ)の順番だった。
  • Case-2はウィリアム・シェイクスピアの話。シェイクスピアがどんな作品を残したのかということすら知らなかったので調べながら読んだ。ダメダメな劇団が徐々に復活していって大成功を収めるという正統派な内容。内省的な他2つの夢と違ってヒロイックなエピソードだなって思った。
  • Case-1が不安視していた不倫の話だった。主人公が作家崩れの中年で、自殺を扱った話、モラルを無視した恋愛描写など、文学小説みたいな感じでエロゲーではあんまり見ない趣の話だなって思った。洋子との関係が多少でもいいから改善しないだろうかと願う気持ちが僕の中で強すぎて、肝心の有島と凛のエピソードが洋子が退場する終盤まで頭に入ってこなかったというのが正直なところ。しかし有島が死に取りつかれていく様子は引き込まれたなあ。
  • Case-3は3つの夢の中では一番さわやか。いい人しかいない。すももとアズキのキャラクターもあってギャグシーンも多めで楽しい。Case-2では憎たらしかったルー語がこっちでは頼もしく聞こえてくるから不思議。カンナは教職に向いてないと自嘲していたけど、終盤で落ち込んでる女の子にアドバイスするシーンとか見てるとそんなことないよなって思った。勉強が苦手なのはまあ、アウトかもしれないけど。
  • 最後のCase-0は怒涛の展開が次から次へとやってくる。特にいいなと思ったシーンは、記憶を失うことを恐れて別れを切り出した世凪に対し、「世凪が世凪であるかどうかはおれが決める」と海斗が言い切ったところ。あと両親の事を思い出せない世凪に対して優しい嘘をつくシーン。
  • 「幸せなエピローグ」は正直蛇足だなあと思ってしまった。どこからどこまでが自分の感情なのかわからなくなってしまった世凪が自分を犠牲にして仮想世界の中心になることを決断して感動のエンディングを迎えたと思ったらエピローグでいきなり戻ってきてしまって感情がついていかなかった。
  • ジャンルが異なる4つの話すべてが面白くて、時間を忘れて遊んでしまう内容だった。高評価なのも頷ける。