同じような出来事があっても、

私は立ち止まれるようになっていた。




前までの私なら、


どこが足りなかったのか。

どこを直せばよかったのか。

どうすれば、もっと上手くできたのか。



私の受け取り方が悪かったのかもしれない。

私の内面の課題なのかもしれない。



そうやって

自分を責めて、


答えを全部

自分の中に探していた。




それが

前に進むことだと思っていた。


そうやって

自分と向き合っているつもりだった。






でも最近、

同じような出来事があっても、

あの頃のような苦しさは、

残らなくなってきている。




振り返らなくなったわけじゃない。

自分を見つめることを

やめたわけでもない。




ただ

すべてを自分の問題にする、

あの癖が、少しずつ薄れてきている。




相手の事情や、言葉の温度。

関係の形や距離感。

その場に置かれた構造。




自分だけじゃないものが、

目に入るようになってきた。




自分や相手を責めるためじゃなくて、

分かるために




世界を立体で見られるようになっていた。





同じ悩みに触れているのに、

感じ方が違う。

自分の扱い方が違う。




それに気づいたとき

私はふっと、こう思った。




あれ?

私はもう

前と同じ場所にはいないのかもしれない、と。






迷う日も

立ち止まる日もあるけれど。



いまの私は

前とは違う場所から、

同じ人生を見ている。