私たちの関係は

終わった。




彼の方から

別れを告げられた。




でもそれは

初めてのことではなかった。




婚約指輪を見に行く前日に

突然振られたこともあった。




長年付き合ってきた中で

何度も別れては



しばらくすると

連絡が来て

関係が戻る。



その繰り返しだった。






最後の「別れよう」の後

気持ちが

すぐに整理できたわけではなかった。



また

戻るのかもしれない。



そんな感覚が

ぼんやりと残っていた。



実際に

彼から何度か連絡は来ていた。




でも私は返さなかった。




あの恋愛で

何が起きていたのか。



どうして

あんなにも

苦しくなっていたのか。



少しずつ

見えてきていた。




それでも

不安も残っていて



本当に

あれでよかったのだろうか。



私が

もう少し上手く愛せていたなら

違う形になっていたのではないか。



そんな考えも

何度も浮かんだ。





理解しても

不安は消えない。




怖さも

迷いも

無くなるわけではなかった。





安心も

完全には育っていなかった。






それでも私は




慣れ親しんだあの関係に

戻ろうとは思わなかった。





“自分を置いていかない”



という方向へ

少しずつ歩き始めていた。