11■予想外・何となく・むやみに


受験生のための単語リストです。
ここでは「予想外・何となく・むやみに」というニュアンスを持つ語を集めてみました。

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■次の語の意味をA→Bで確認!

A 単語リスト

1・すずろなり・そぞろなり
2・思はずなり
3・おのづから

B 語義と語感

1・すずろなり・すぞろなり・そぞろなり
➀あてもなく・わけもなく
②思いがけない
③むやみに
■→すずろなり・そぞろなりは、漢字で書けば「漫」。散漫な感じ。明確な目的や理由がなく何となく、あてもなく行動するさまを表す。現在でも「そぞろ歩き・気もそぞろ」などと使う。予想外に物事が進み思いがけないという心情を表す。また、連用形で「むやみに」というニュアンスで用言を修飾するケースも多い。

2・思はずなり
意外だ・思いがけない
■→思はずなりは文字通り、思ってもみない、意外だということ。

 

3・おのづから
①自然に
②偶然・たまたま
③もしかすると
■→「自ら」は「身づから」という意志的なニュアンスもあるが、「おのづから」は自然の経過でひとりでにそうなっていく状態を表す。そこから②の「偶然」という意味にも用いられる。「みずから・おのづから」は誰でもわかるので、この②を覚えておくことは大事。③は下に仮定表現を伴う。

 

 

■例文C→Dで演習!

D 例文

  1. むかし、男、すずろに陸奥の国までまどひいにけり。

  2. うたてある主の御許に仕うまつりて、すずろなる死にをすべかめるかな。

  3. すずろに飲ませつれば、うるはしき人もたちまちに狂人となりて、

  4. うつくしければにや、いと思はずなり

  5. おのづから後まで忘れぬ御事ならば

  6. おのづから人の上などうち言ひそしりたるに

E 例文の解釈

  1. 昔、男が、あてもなく陸奥の国までさまよい行った。

  2. いやな主人のおそばにお仕え申し上げて、思いがけない死に方をしなければならないのだなあ。→文法:べかめる:べかんめる:撥音便無表記

  3. むやみに(酒を)飲ませてしまうと、きちんとしている人もたちまち狂人となって、

  4. たいそうかわいらしかったからであろうか。(こんな歌が詠めるとは)とても意外である。→文法:にや=断定+係助疑問・あらむの省略

  5.  もしも私を後々まで忘れないお考えならば

  6. たまたま他人の話などをして、けなしていたのを