40■言うまでもない・何とも言えない


受験生のための単語リストです。
ここでは「言うまでもない・何とも言えない」というニュアンスを持つ語を集めてみました。
全体の覚えたい単語リスト→50音索引はこちらへカテゴリ別一覧はこちらへ

 

 

■次の語の意味をA→Bで確認!

A 単語リスト


・いへばさらなり
・いふもさらなり
・さらなり
・さらにもいはず

・いへばおろかなり
・いふもおろかなり
・おろかなり

・えもいはず
・えならず

B 語義と語感

1・いへばさらなり・いふもさらなり・さらなり・さらにもいはず
=いうまでもない
■→さらなり自体は「~するのもいまさらだ」というニュアンスであり、いへばさらなり・いふもさらなり・さらにもいはずは、いまさら言うのも~であるの意が「言うまでもない」という意を導く。さらなりはそれらの省略形である。

 

2・いへばおろかなり・いふもおろかなり・おろかなり
=言い尽くせない
■→2も1と同じ考え方。おろかなりは「疎かなり」が「いい加減・不十分である」意から、言ふもおろかなり・いへばおろかなりは、自分の心をその言葉で表すのは不十分だの意が「言い尽くせない」という意を導く。1と似ているが、異なるニュアンスに注意が必要。

3・えもいはず・えならず
=何とも言えないほどだ
■→「え~打消」を含み、何とも言えないほどだ。えもいはずは良い(すばらしい)場合にも悪い(ひどい)場合にも用いられ、えならずは程度の甚だしさ・素晴らしさを表す場合がある。

 

 

■例文で演習!

C 例文

  1. 夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍のおほく飛びちがひたる。

  2. 面つき、まみの薫れるほどなど、いへばさらなり

  3. 信貴とて、えもいはず験ある所にて、今に人々明け暮れ参る。

  4. 博士の才あるは、めでたし言ふもおろかなり

  5. こそつれなけれえならず思ふ心を

  6. 唐の、大和の、めづらしくえならぬ調度ども並べ置き、

D 例文の解釈

  1. 夏は夜が趣がある。月の(出ている)ころは言うまでもないが、闇のころでもやはり、蛍が多く飛びかっているの。

  2. 顔つきや、目もとの美しい様子など、言うまでもない

  3. 信貴といって、何とも言いようがないほどすばらしい効験のある所で、今でも人々が朝夕参詣する。

  4. 博士で学識がある者は、すばらしいと言っても言い尽くせない

  5. 表面冷淡だが、心の中では何とも言えないほど恋しく思う心だなあ。

  6. 中国の、日本の、見慣れない何とも言えないほどすばらしい道具類を並べて置き