■60:病に関する語
受験生のための単語リストです。
ここでは「病に関する語」を集めてみました。
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■次の語の意味をA→Bで確認!
A 単語リスト
1・あつし
2・困ず
3・なやむ・なやまし
4・わづらふ・わづらはし
5・ここち
6・例ならず・ただならず
7・ひま
8・おこたる
B 基本の意味
1・あつし
=病が重くなる
■→漢字で書けば「篤し」。重篤・危篤などの熟語が思い浮かべられる。
2・困(こう)ず
=病ではないが肉体的疲労
■→困ずは直接的には病気とは関係ないが、「困る」という精神的なものより、肉体的疲労を主とする。
3・なやむ・なやまし
=現在は精神的苦痛・古語では肉体的苦痛が主
4・わづらふ・わづらはし
=病気になる・気分が悪い・面倒だ
■→病気にかかることは、病むはもちろんだが、なやむ・わづらふなどがある。そこから派生した形容詞なやまし・わづらはしは病気に苦しむ状態。特になやむ・なやましは、現代は精神的苦痛の意味が強いが、古語ではむしろ肉体的苦痛を主とする。
5・ここち
=気分がすぐれない
■→「心地」は気分だが、病気で苦しむ状態を表すことも多い。
6・例ならず・ただならず
=普通とは違う
■→いつもと違うということが病気や妊娠の場合に用いられる。
7・ひま
➀すき間(空間的)
②絶え間(時間的)→病気の絶え間・小康状態も。
③心の隔たり(人間関係)
■→ひまは(隙間・絶え間という意味だが)病気の小康状態も表す。
8・おこたる
=病気が治る
■→「バイ菌が怠ける」と覚えるとよい。
※それぞれの単語には「病」とは別の意味もある。
■例文C→Dで演習!
C 例文
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いとあつしくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、
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海に入り渚に上り、いたくこうじにたれど、
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身にやむごとなく思ふ人のなやむを聞きて、
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いはば、よき女の悩めるところあるに似たり。
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御息所、はかなき心地にわづらひて、まかでなむとしたまふを、いとまさらに許させたまはず。
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この五月ばかりより、例ならぬさまに悩ましくし給ふこともありけり。
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かばかりのひまあるをもいとうれしと思ひ聞こえたまふる御けしきを
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日ごろ月ごろなやみたるがおこたりぬるもうれし。
D 例文の解釈
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たいそう病気がちになっていき、心細そうに実家にひきこもりがちになるのを、
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海に入り渚に上り、ひどく疲れてしまっているけれど、
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自分の身にとって大切に思う人が病気であるのを聞いて、
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言うなれば、身分の高い女で病気で苦しんでいるのに似ている→文法:の=同格
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御息所はちょっとした病気にかかりなさって、退出しようとなさるが、帝は決してお許しにならない。
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この五月頃から体調が悪い様子で気分がすぐれなさらないこともあった。
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これくらいの小康状態があるのも、たいそううれしいと思い申し上げなさっているご様子を
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幾日も幾月も病気だったのが快方に向かったのもうれしい。