このページは高校生の古典の学習を意図してつくったものです。
古典文法公式6:存続の助動詞:たり・り
A・基本知識:覚えるべきポイント
1:「たり・り」は存続・完了の助動詞である。
2:存続は、存在「~テアル」と継続「~テイル」。この意味で、例えば「かきつばたいとおもしろく咲きたり」のように「美しく咲いている」などと意味が取れる場合は存続。そうではなく「小野道風の書ける和漢朗詠集」のような場合は完了の意味と取る。存続が基本と考え、その意味で解釈できない時に完了を考えればよい。
■→接続と活用:活用はともにラ変型(ら・り・り・る・れ・れ)。「たり」の接続は連用形であるが、「り」の接続はサ変の未然形と四段の已然形(命令形とする考えも強い)である。これをさみしい(サ未四已)と覚える。「り」は識別問題ではKEYになる助動詞であり注意が必要である。
■→識別問題へのリンクはこちら→「る・れ」の識別・「らむ」の識別
B・基本問題:意味・活用形・口語訳を確認!
ア:くらもちの皇子おはしたり。
イ:五月のつごもりに、雪いと白う降れり。
ウ:家を出でて世をそむけり。
エ:このもとの女、悪しと思へるけしきもなくて、
オ:雪のおもしろう降りたりし朝
解答
ア・完了・終止
・くらもちの皇子がいらっしゃった。
イ・存続・終止
・五月の下旬なのに、雪が白く降っている。
ウ・完了・終止
・家を出て遁世した(出家した)
エ・存続・連体
・この元の女は不愉快と思っている様子もなくて
オ・存続or完了・連用
・雪が趣深く降っていた朝