このページは高校生の古典の学習を意図してつくったものです。
古典文法公式17:格助詞:より
A・基本知識:覚えるべきポイント
1:格助詞「より」が現代語と違うのは手段・即時の二つの用法であり、それだけを意識すればよい。
2:★手段の「より」は、例えば「徒歩よりまうでけり」であれば「徒歩で参詣した」と解釈する用法である。「徒歩より」というフレーズで覚えてしまおう。「徒歩」は「かち」と読むことも一緒に覚えたい。「馬より」とあれば「馬で」と解釈する。
3:★即時の「より」は文字通り「すぐに・~やいなや」である。「名を聞くより、やがて面影は・・」は「名を聞くとすぐに」という意味。これもこの例文で覚えてしまいたい。
B・基本問題:用法を選択・口語訳を確認!
選択肢(上記以外の用法も含む)
→ 動作の基点・ 経過する場所・ 比較の基準・ 手段方法・ 即時
ア:命婦、かしこにまかで着きて、門ひき入るるより、けはひあはれなり
イ:関白殿、黒戸より出でさせ給ふ
ウ:おなじほど、それより下﨟の更衣たちはまして、安からず
エ:他夫の馬より行くに己夫し徒歩より行けば
オ:物の隠れよりしばし見ゐたるに
解答
ア:★即時
・命婦がそこに着いて、車を門内に引き入れるとすぐに、邸内の様子はあわれに感じられた
イ:経過する場所
・関白殿が黒戸から出なさる
ウ:比較の基準
・同じ身分、それより身分が低い更衣たちはまして心穏やかではない
エ:★手段
・他人の夫は馬で行くのに、私の夫は徒歩で行くので
オ:動作の基点
・物の隠れからしばらく見ていると
C 入試問題
■ 次の「より」と同じ用法のものをイ~ホから一つ選びなさい。
三井寺へ行かむとするには、いかでか歩より行かむずるやうにては立ちたるぞ。乗物のなきか。
選択肢
① 人より賢し
② 明日より始めん
③ 人を手より打つ
④ 右よりにすすむ
⑤ 風より他に問ふ人もなし
解答=③