このページは高校生の古典の学習を意図して作ったものです。

 

古典文法公式18:接続助詞:ば 

 

A・基本知識:覚えるべきポイント

 

1:接続助詞の「ば」は、未然形について仮定条件を表し、已然形について確定条件を表す。「もし海を行くなら」としたいのであれば「海行かば」であり、「海を行くと」としたいのであれば「海行けば」となる。仮定条件は解釈の上では明確に意識すべきだろう。本来、未然形は「未だ然らざる形」であり、打消、推量、仮定などのニュアンスを形成する活用形であり、已然形は「すでに然る形」であり、未然形に対して確定的なニュアンスを持つ活用形である。未然形にあった仮定が已然形の形で表現されるようになり、現在では仮定形という活用形の名称になっている。

 

2:確定条件については三つの用法があり、たまたまそれが起こる偶然条件「~すると・~したところ」、原因理由を表し「~ので」と解釈される用法、「~するといつも・必ず」というニュアンスを持つ恒時・恒常条件という三つの訳を文脈によって見定める。「命長ければ恥多し」であれば恒時条件であろう。普通に読んで読める部分にこだわる必要はないが、心理説明や和歌に歌われた心理の理由に相当する部分が、その前や別の箇所に原因理由を表す「ば」を伴って書かれているケースも多く、真理を読む場合にも入試問題でも、少し意識していいかと思う。

 


B・基本問題:用法・口語訳を確認!

 

:年寄るまで石清水を拝まざりけれ、心憂く覚えて
:それを見れ、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。
:瓜、子ども思ほゆ
:悪人の真似とて、人を殺さ、悪人なり。

 

解答
:確定・原因理由
・年寄りになるまで石清水八幡宮を拝みに行ったことがなかったので、情けなく(不本意)思って
:確定・偶然条件
・それを見ると三寸ほどの人が、たいそうかわいらしく座っていた。
:確定・恒時条件
・瓜を食べると必ず子どものことが思われる
:仮定条件
・悪人の真似といって、人を殺すなら、それは悪人である。

 

 

C・入試問題

 

■ 次の「ば」と異なる用法のものを一つ選べ。

家あるじの、「木にこれ結ひつけて持てまゐれ」と言はせたまひしか、あるやうこそはとて、持てまゐりて候ひしを
選択肢
1:梅の木の枯れたりしか(A)ば、求めさせたまひしに、
2:「きむぢ求めよ」とのたまひしか(B)ば、一京まかちかるきしかども3:勅なれ(C)ばいともかしこしうぐひすの宿はと問は(D)ばいかが答へん

 

解答=D