病院にお金がないらいしい

 

 

いずれこうなる気はしていた。

 

 

物品管理は超ずさんだし、管理職の数が驚くほど多いし、公立病院なのにめちゃくちゃ個室が多いし、あんまり経営上手くなさそうだなと思っていた。

 

 

以前も、病欠補充のためにエージェントを使って看護師を補充していたら、年度の途中で予算が足りたくなったとかもあって計画性ないなと思った。

 

 

9床しかない病棟のクリニカルナース(管理職1)が7人と聞いて驚いた。同じ規模の病棟で、以前働いていた病院ではクリニカルナースは2人だった。

 

 

クリニカルナースコンサルタント(師長と同等の管理職2)もやたら多くて、うちには一時期3人もいた。一人になったけど、業務の滞りはない。

 

 

外来の検査をする小さな部署で、スタッフ5人しかいないのに師長がいた。今は、他の部署と合併して、そこに師長の配置はなし。こちらも業務に支障は出ていない。

 

 

お金が無くなって最近どうなったのかというと、あるサービスは一時中止(何が中止になったのかは知らないけど、優先順位の低いものだと思う)、契約雇用だった職員の契約が打ち切られているらしい。これはちょっと気の毒。

 

 

うちの部署で、24時間のオンコールサービスが始まるはずだった検査室の計画は、スタッフにオンコール代金が支払えないので、一時停止している。

 

 

残業してでも終わらしていた検査や治療は、16時過ぎには緊急治療以外行われないようになった。

 

 

上からのお達しの効果はすさまじく、以前は少しでも長く検査や治療をしようとぐいぐい圧力をかけてきていた医師たちも、「緊急じゃないから、キャンセルして」とこれまで聞いたことのないことを言う。

 

 

新しい会計年度始まってまだ3ヶ月だけど、大丈夫かしら汗

 

 

うちのスタッフの病欠残数を示すグラフが、今月の始めに師長さんからメールで送られてきました(年間10日間の病欠が支給され、消えずに累積されていく)。

 

 

7割の人が病欠は10日以下で累積されておらず、ほぼほぼ毎年年休を使い切っていることが分かる結果でした。

その時書いた記事はこちら↓

その後、病欠減りました泣き笑い 一定の効果はあったようです。いつまで続くのかは分かりませんが。

 

 

しかし、逆に今まで病欠を正しく使っていた人にとっては、なんだか病欠を使わない方がばからしいのではという気持ちが湧いたのも事実。

 

 

オカメインコ休みの日勘違いして、出かける予定いれちゃったんだよね。なんとか変わってもらえる人捜しているんだけど、スクールホリデー中は皆融通きかなくて。年休も今更もらえないだろうし。病欠かとか、いけないけど考えちゃうよね。

 

 

この人は、500時間以上の病欠を保持していて、うちの病棟でトップ5に入るくらい病欠が少ない。

 

 

宇宙人いいんじゃない、病欠で。普段、皆の病欠カバーしてるからばち当たらないよ。たまには息抜きしないと、人の病欠も快く受け入れられなくなるよ。

 

 

背中押してしまった笑

 

 

そして、このメールを見て気になっていたこと。ついに師長さんに聞けました。

 

 

宇宙人病院全体で、州の平均より病欠取得率が高いと書かれてましたけど、病院内でどこの病棟が病欠が多いとかって分かっているんですか?

 

 

ほら、実はうちの病棟がこの病院の平均ですっていうなら、またグラフの見方も変わってくるじゃないですかおいで

 

 

トラうん、分かっているよ。感染対策室と内視鏡検査室(胃カメラするところ)とうちでワースト3なんだ。

 

 

コアラ感染対策室かぁ(笑)。やっぱりちょっとの感冒症状でも休んじゃうんでしょうかね。

 

 

言うね~。

 

 

病棟だと病欠がもろに他の人に影響するからですかね。病棟の方が不規則勤務で、体調崩す人が多そうですが。逆に不規則勤務だから、病欠を取らずに乗り越えられることもあるのかも?月~金の昼勤務だと、病院の受診とか子どもの用事の時間調整が難しい?

 

 

労働組合では、病欠をお金で払い戻ししてはどうかみたいな案も出たみたいですが、それはそれで政府には大きな支出。絶対、そうしようとはならないでしょうね。

 

 

病欠に対するモラルが崩壊しているので、まぁそんなに簡単には変わらないと思います。大半の人が、病欠は使わないとなくなるからもったいないって思ってると思うので。

 

 

時間外の緊急治療は、物品出しから患者さんのケアや記録まで全て外回りナース一人で行います。

 

 

心臓の血管が詰まっていると、脈が速くなったり遅くなったり、血圧が上がったり下がったり、痛みや吐き気がでたりで、一人じゃ手が回らないほど一気に指示が出ることがあります。

 

 

そして何より困るのが、患者さんが動き出すこと。薬で意識がもうろうとしたり、痛みでじっとできなくなったり、理由は色々なのですが、動かれると治療ができないし危ない。ひどい時は、患者さんの手や足を抑えながら物品出しをしたりします。

 

 

今回の患者さんは、超難聴の高齢者の方。

 

 

状態も悪く、次々指示が出る中でもぞもぞ動き出す。「動かないでくださいね」と言っても、聞こえてない。血液も上手く循環していないから、ちょっとぼぉっとしているのも相まって、治療中ずっと「動かないでください」と言い続け、手足を抑えていました。

 

 

血圧や脈拍を上げる薬や血管拡張薬を次々と投与してたのですが、そんなの記録する間もなく、後で記録するためにひたすら頭に大体の時間と投与量を叩き込む。

 

 

動き回って治療が終わった瞬間、つ、疲れた。でも、記録が1ミリもできていない。そこから大急ぎで記録を終わらせ病棟に搬送。

 

 

申し送りで、

 

 

宇宙人超難聴の方です。

 

 

オカメインコ○○さーん、補聴器持ってる?

 

 

龍うん、ここ(耳)に入っておる。

 

 

入っとるかいっ笑い泣き

 

 

 

別件で師長さんと話しをしていて、仕事に戻ろうとすると、

 

 

トラ実は、勤務表のテンプレート新しくしようと思って。最近細かなミスが多いし、作るのが少しでも楽になればいいかなと思って。みかんは、すごく上手く整理して作ってたから、どんな風に作っていたのか、どんな機能があればいいと思うか参考までに教えてくれない?

 

 

うちの師長さんかなりのITマニアで、こういったことが得意。誰が作っても同じようなクオリティの勤務表が短時間でできるようになるのがベストで、それにはこういったシステムの改善が一番効果的だと思う。

 

 

6ヶ月間、作っては見直し、作っては見直しで大変だったけど、こうやって評価されていたっていうのは嬉しい。

 

 

というわけで、あったらいいなって機能は言っておきました。後日ちらっと見せてもらったらちゃんとその機能が反映されていたので、早く言っておけばもっと楽に勤務表作れたかも(残念!)。

 

 

現在、6ヶ月交代の持ち回りで勤務表の作成をしています。私が引き継いだ人の半年も、もうすぐ終盤。早いなー、6ヶ月。

 

 

スタッフの個人情報をかなり知ることになるので、ある程度特定された人が作った方がいいんじゃないかという話しが出ていて、今後私を含めた3人で作っていく話しになっているんだとか。

 

 

うーん。結構大変だったんですよね。勤務表作りしている時は、ずっと勤務表作ってて他のことが全くできなかった汗勤務表作る時間なんて割り当てられないので、隙間時間を見つけてはせっせと作って、見直し、修正の繰り返し。

 

 

新しいテンプレートになってどれだけやりやすくなるかは見ものだけど、ちょっとどうしようかなって感じです。この国のいい所で、やりたくないことはやらなくていいので、「やりません」って言えば、ほぼやらなくて済みます(笑)。

 

 

とりあえず、次の6ヶ月はやる人が決まっているので、6ヶ月後の自分にやる気があるのかどうかで決めようっと。

 

 

日々の配属表を見ていると、同僚の名前の横に「pre admission training」の文字が。

 

 

うちには、外来で検査のオーダーが出てから、検査日を決めたり事前に患者さんに電話で聞き取りや教育を行うpre admissionナースがオフィスにいます。ちなみにこの役割は、クリニカルナースと呼ばれる、一つ階級が上の看護師が担っています。

 

 

最近このナースの代理をする人の募集が出て、この同僚から時間外に電話もらって「やってみたいとは思うけど、クリニカルナースの仕事私にできるかなー」とか、「応募用紙記入したものに一度目を通してもらっていい?」とか相談を受けていました。

 

 

おぉ、受かったんだ!こりゃめでたい。

 

 

と思ったのが最初。

 

 

直接「受かったよ」って言ってもらえると、こちらも手伝ったかいがあったと思えたのにな。

 

 

と思ったのが次。翌日、おめでとうと伝えると「連絡しようと思ったんだけど」とは、言ってました。

 

 

この国で、日本レベルの礼儀を期待するのは無理ですね。でも、これは自分に生かそう。私も今現在色々手伝ってもらっていることがあるので、何か結果が出た際は、まずその人たちに報告し感謝しようニコニコ

 

 

この同僚は、私と同じ外国人ナースなので、患者さんの情報の電話での聞き取りや記録は苦労することも多いだろうけど、こうやって一つ上のポジションで挑戦ができるのは素晴らしいこと。

 

 

同じ部署で、色々なところで働く選択肢があるのはいいことですね。

 

 

先週に引き続き、今週も研修を入れています。1ヶ月半前の私はやる気満々でしたね笑

 

 

今回は、外部で開かれている技術系研修になります。人件費が高いオーストラリア、研修費も結構なお値段するので(講師代?)、なかなか気軽には行けないんですけど、この研修は、コロナ前から気になっていて最近同僚が受講していたのを見て、「あー、私も受けたかったんだった」と思いが再燃。

 

 

エコーガイド下静脈針留置(エコーの機械を使って、点滴の針を入れる)

 

 

事前に1時間のオンラインコースで理論を学び、研修日は超音波の機械とマネキンを使って実践練習。

 

 

二人一組になって行う練習で、イギリスに半年留学して昨日帰国した緊急外来の医師とペアになりました。

 

 

すでにベテラン医師みたいで、自己紹介で、

 

 

「普段、看護師さんや若手の医師が取れなかったルート確保が最終的に自分に回ってくるんですけど、それ以外は点滴確保なんて回ってくることなかったから、こういったことを練習する機会がありませんでした。」

 

 

なんて言ってましたけど、普段から超音波の機械を使っているからか、この人最初からめちゃくちゃ上手い驚き

 

 

私は、めちゃくちゃ不器用ってわけでもないんですけど、初めてやることが苦手で習得までに時間がかかるタイプ。

 

 

同じ部署に長くいると慣れたことを繰り返しやるので、そういった自分のことを忘れがちでした真顔

 

 

研修の時間中に皆さんマスターしていくのに、私はなんか微妙。さすがにこれで患者さんに実践する勇気はない泣

 

 

今働いている部署には、この技術をすでに使いこなしている人が複数名いるので、もうちょっと練習を積みたいと思います。どっかでマネキン借りれるかな。

 

 

研修費300ドルも払ったんで、技術はなんとか習得したいネガティブ

 

 

毎週土曜日にピラティスをしに行っているのですが、10月いっぱいで土曜日のクラスがなくなるかもしれないというお知らせが悲しい

 

 

労働者に優しくて、働きやすいオーストラリア。その恩恵を受けて働いていますが、サービスを受ける側になると状況が変わります。

 

 

週末に働きたい人が少なく、さらにそういった人達に働いてもらうために週末は賃金が高くなるので、サービスの提供を土日はしないところがたくさんあります。田舎は、それが顕著です。

 

 

事情はすごくよく分かるんですけどね。月~金の仕事をしている(平日1日休みはどこに入るか分からない)身には、この土曜日のサービスがなくなるのはとても痛い。

 

 

私は、毎週土曜日の同じ時間のクラスに参加していて、レギュラー枠という形で予約なしで入れていたのですが、レギュラー枠を持つ人の直前のキャンセルが多すぎて、今後は全員に予約性を導入することも検討されているらしく、ビジネスを色々見直している時なのかなという感じです。

 

 

他の曜日のクラスもレギュラー枠の人達で埋まっていて、その人たちの休みが出たら入れるみたいな予約の取り方だったので、土曜日がなくなるならいっそこのレギュラー枠がなくなった方が、今後私には予約が取りやすいかもしれない。

 

 

どうなるか分かんないんですけど、せっかくなのでこのまま続けていけたらいいなと思います。運動習慣をなくしてしまうのだけは、なんとか避けなくちゃ!

 

 

効果がうんぬんじゃなく、運動を少しでもしているという事実が大事真顔

 

 

1ヶ月半前に自分で調整した研修4つ。これまでほとんど使ってこなかったPDLという名の研修有給休暇の恩恵を受けよう企画です。

 

 

勤務希望の締め切り日が1ヶ月半前で、それまでには申し込みや日程調整が終わってないといけないので、実際に研修に行けるのはだいぶ先になってしまいました。

 

 

今週は1つ目の「他部署で働く看護師さんの仕事っぷりを見に行こう」企画でした。

 

 

以前から面識はあった人ですが、科の飲み会でたまたま長く話す機会があって、今私が悩んでいることの答えのヒントを持っていそうな人だなと感じたので、彼女と仕事を通じてもう少し関わってみたいという不純な動機のもと、研修を引き受けてもらいました。

 

 

と言うわけで、有給使っといて知識や技術向上のためとかじゃないんですが、行ってよかったおねがい

 

 

稀に見る、めちゃめちゃいい人でした。人としても看護師としても。多分、私より全然若いと思うんですけど、懐の深さも仕事に対する情熱もある人で、すごく前向きな気持ちで仕事の話しができました。

 

 

そして、背中を押してもらえたこともあって、少し自分が進みたい道が見えたような。彼女がキーパーソンになるのかもしれないという直感が当たっていたような気がします。あ、それはまだこれからどうなるか分かりませんが。

 

 

病棟に戻ると、同僚に

 

 

研修どうだった?

 

 

とか聞かれましたが、あんまり業務の内容は覚えてない(笑)。

 

 

同じ病院に、あんな素敵な人がいることが知れただけでも大きな収穫でした笑

 

 

うちの師長さん割と優秀な方で、最近は看護部長の代理なんかをしていて不在にしています。そんな師長さんからメールが届きました。

 

 

紫の字が師長さんからのメールです。

 

 

1年間のデータで、病欠取得率が州内の公立病院の平均より著しく高く、調査の必要性が問われています。

 

 

あら、もしかして州で一番取っちゃった?

 

 

そこで参考のために、うちの病棟の病欠状況を調べました。

 

 

私が働く州の公立病院では、年間10日の病欠が年休とは別に与えられます。これは、消えることなく翌年に持ち越せます。さらに、家族が病気といった理由でも、ファミリーリーブ(介護休暇)として病欠にアクセスできます。

 

 

4割の人が病欠の残りが8時間以下、つまり1日休むだけの病欠が残っておらず、6割の人が16時間以下で2日以上の病欠が残っていないことになります。

 

 

皆さん、毎年きっちり病欠消化してるんだね。

 

 

ファミリーリーブを取る条件についても州はきちんと定めているので、もう一度当てはまるか考えてから休暇を申請してください。他に病欠を減らす何かいい方法があれば、意見をください。

 

 

病欠の理由は言わなくていい、診断書はおろか、病棟に電話をかける必要もなし(病欠を管理する事務に連絡のみ)。病欠がなくなっても、首になったり査定にかけられることもないのほほーん人事。

 

 

ズバリ、

 

色々と緩すぎるからではないでしょうか真顔

 

 

ちょっとテンション高め、笑顔多め、患者さんをちょっといじる感じを入れる(冗談を言ったり言われたりするのが好きな人が多いので)。

 

 

これは、オーストラリア看護師バージョンで、日本で看護師したら、また違った自分が出来上がると思う。

 

 

先日、患者さんが、

 

 

コアラ 君はここ最近出会った中で最高の女性だ!明るくて、親切で。旦那さんはなんて幸せなんだ。

 

 

なんて言うもんで、

 

 

宇宙人 私が、家で同じように振舞ってるなんて思ってるの?

 

 

と返しておきましたが、こういう時は看護師としての自分が褒められたんだなと思って、満足、満足。笑顔の裏で、着々と病棟に送り返す準備を進めているんですよニヤリ