西荻窪の池しんです
今日は、雨を侵入させないことが延命につながるもう一つのメリットについて書かせていただきます。
コンクリートを積んで走っているアジテーター車(ミキサー車)をよく見かけると思いますが、コンクリートが固まらないように文字通りタンクをミキシングさせながら走っています。
タンクをが回転しているときは現場へ向かう途中で、回転していないときは帰りです。
アジテーター車が現場に着くと、予め鉄筋が計画通り配置された(配筋といいます)型枠内にポンプでコンクリートを流し込みます。
(2005年の姉歯偽装事件は、この鉄筋の数を申請したときより実際は減らしていました。)
そして数日後型枠を外せば、内部に鉄筋の入った床や壁、梁などが出来上がっています。
これがコンクリート住宅の構造体になるわけです。
実は型枠を外したこの時点からコンクリートの劣化は始まっています。
現在降る雨は酸性雨です。
ここ数年は中国が化石燃料(石炭や石油)を大量に燃やすことで、特に大陸からの風の影響をもろに受ける九州地方は、高い数値の酸性雨が降ります。
九州地方に限らず全国的にpH値の高い酸性雨が容赦なくコンクリート構造物に降り注いでいます。
pHはペーハーと私たちは呼んでますが、最近はピーエイチという呼称に変わっているそうです。
これは酸性・中性・アルカリ性を示す値で、下の図のようにpH7を境にして数値が下がるとより酸性が強く、数値が上がるとよりアルカリ性が強くなります。
現在降る雨はpH4.2~4.5と言われいて大変高い数値の酸性です。
出来上がったばかりのフレッシュコンクリートは、pH10.5~11.0 の弱アルカリ性で、これが健全なコンクリートのpHの数値です。
ここまで書いたらもうお分かりかと思いますが、次回に続きとさせていただきます。