ニューヨーク3日目、

昨日は、早朝から仕事、

その後、ウェンディに逢って、

ハードな一日だったな。

(笑)

 

※前回のお話し

 

 

ウェンディ、昨夜は、

見たことない笑顔で、

はしゃいでいて、

もっと一緒に、

いたそうだったけど、

夜のニューヨーク、

特に地下鉄は危ないし、

少し早めに解散。

 

今日は、セントラルパーク。

 

※セントラルパーク(ニューヨークの遊び方より)

 

ただ、セントラルパークって、

東京ドーム4個分

と、とんでもなく広いので、

「ハチ公前」みたいな、

雑な決め方だと、会えない。

 

image

※ニューヨーク地下鉄

 

自分も、ウェンディも、

地下鉄は、ブルーライン。

 

自分は、PABT駅から、

ウェンディは、

クイーンズの駅から移動。

 

なので、5AV53st駅を、

降りたところにある、

プラザホテルの前で待ち合わせ。

 

約束の10時、少し前に、

プラザホテルの前に行くと、

もう、ウェンディはいた。

 

「ヨシオ

 

「早いね」

 

「なんだか待ちきれなくて」

「昨日、ずっといたかったのに」

 

そ、そっか、、、昨日、

初めて2人で会ったのに、

アメリカ人って、

これがフツーなのかな。

 

アメリカ人って、

知り合ってすぐ、

ファーストネームで呼ぶし、

日本人だと、

少し戸惑う距離感かも。

 

でもなんか、嬉しい。

 

59stの横断歩道を渡って、

セントラルパークの入口に。

 

まだ、朝なのに、観光客やら、

ジョギングするニューヨーカーやら、

サボっている❓ビジネスマンやら、

けっこう人でワサワサしてる。

 

レンタサイクルやら、

観光馬車もあるけど、

今は、2人で歩きたい気分。

 

2人で、イーストドライブを、

北に向かって、ゆっくりと歩く。

 

「ところで、相談って」

 

「私ね」

「日本語勉強したいの」

「どうしたらイイと思う」

 

「それなら」

「ジャパンソサエティがあるよ」

「日本語教室もやってる」

 

ジャパンソサエティとは、

ニューヨークに戦前からある、

非営利の日米友好団体。

 

ロックフェラー3世が、

多額の寄付をして、

国連近くに本部ビルまである。

 

日本の外務省の外郭団体と、

勘違いしている人も多いけど、

純粋なアメリカの民間組織。

 

「・・・」

 

「そうじゃなくて」

「ヨシオから教わりたいの!

 

「え、俺から❓」

 

「そう💖」

 

・・・そうなんだ。

 

「わかった」

「じゃあ、そうしよう」

 

「よかった💖」

 

まあ、今はライン電話とか、

海外でもお金かからず話せるし、

ビデオ通話もできる。

 

若い頃、アメリカ滞在中は、

インターネットは普及してなくて、

国際電話はKDD だけ。

 

※トモコ(イメージ)

 

当時つき合っていた、

明律大学出身の、

裁判官のトモコが、

オペレーターコールで、

大金かかったって、言ってた。

(汗)

 

余計な話だけど、

トモコとはLEC、

東京リーガルマインド

の司法試験予備校仲間。

自分は中桜大学出身。

彼女は弁護士を経て裁判官。

自分は夢破れ、メーカー社員。

(苦笑)

 

それにしても、

便利な時代

になったな~。

 

スケートリンクと、

動物園の間を抜けて、

メリーゴーランドが見えてきた。

 

その前には、

シープメドー

という芝生広場がある。

 

※セントラルパーク

 

ここから眺める、

ニューヨークの摩天楼が、

現代アートのような、

美しい光景。

 

東洋人の自分と、ウェンディ。

この光景に溶け込んでいる。

 

それが、ニューヨーク。

 

実家のある富山だったら、

ウェンディと歩いているだけで、

町内会のウワサになるだろうな。

地元テレビのトップニュースかも。

(爆)

 

「少し休みましょうか❓」

 

「そうしようか」

 

芝生広場に腰を下ろすと、

彼女が、持っていた、

クーラーバックの中から、

ポットを取り出した。

 

「冷たい飲み物、飲む❓」

 

「ありがとう」

 

ウェンディ、

見かけによらず(失礼)、

気が利くな。。。

 

昨日の御礼だと言って、

サンドイッチまで作ってきてた。

 

・・・ウェンディ、

そんなに優しくされると、

勘違いしちゃうゾ。

 

日本語以外も教えたくなる。

(殴打)

 

 

芝生広場で、

お互いのこと、

じっくりと話した。

 

ウェンディは、高校を卒業して、

デラウェア州の田舎町から、

ここ、ニューヨークに上京。

 

大学進学も考えたけど、

私学だと年600万円はかかり、

奨学金もらえるレベルでもなく、

とりあえず、ニューヨークに。

 

ブロードウェイを夢見て、

エレンズスターダストダイナー

で、働いていたこともあるけど、

そんなに甘い世界でもない。

 

アメリカンドリーム

って言葉はあるものの、

誰もが叶えられるわけじゃない。

 

宝くじみたいなモノ。

 

常に前向きじゃないといけない、

自己主張が強くて、

弱肉強食みたいな世界に疲れて、

デリでボチボチやっているとか。

 

いろいろ大変なんだな。

 

自分は、大学に入って、

司法試験合格をめざしたけど、

結果を出せずに、

メーカー社員になったこと。

 

余談だけど、諦めなかった、

ケイ・コムロ

は、凄いと思う、ホントに。

 

会社に入ってからは、

社費で留学をさせてもらい、

その後は海外事業担当になって、

世界各国を飛び回っている、

そんな話をした。

 

ウェンディは、外国に、

一度も行ったことがない。

 

「ヨシオすごいね」

 

「そんなことないよ」

 

「私、田舎に帰るかも」

 

「そうなの❓」

 

最近のニューヨーク市内は、

積極的な移民受け入れの影響で、

治安の悪化が深刻になっている。

 

ここ1年ちょっとで、

14万人の移民を受け入れ、

ホテルなどを借上宿舎にしたり、

移民の受け入れ対策に、

市は2100億円支出してるとか。

 

市民からすると、

外国人よりも、

俺たちの暮らしを、

優先してくれよ、

って話だよな。。。

 

反移民を掲げる、

トランプ前大統領が、

熱狂的な支持を集めるのは、

こんなことも理由だと思う。

※個人的な意見です

 

・・・気がつくと、

けっこう時間経ってた。

 

「そろそろ行こうか」

 

「うん」

「どこに行くの❓」

 

「トップオブロック」

「チケット買ったんだ」

 

セントラルパークを出て、

6番街を南に歩いて行く。

 

公園にいた時は、

馬車の車輪と蹄の音、

緑と太陽の香りを、

そよ風で感じたけど、

摩天楼の谷間には、

クラクションの喧騒の中に、

小麦と脂の焦げた匂いが、

漂っている。

 

そして、ラジオシティの先に、

ロックフェラーセンターが。

 

かつて、ここを、

日本の三菱地所が買収して、

「日本が世界一」

になると言われた時代が、

あったなんて、ウソみたいだ。

 

今のニューヨーク、

日本の存在感ゼロ。

(泣)

 

展望台の行列に並んで、

エレベーターで頂上へ。

 

※トップオブロック

 

北を見ると、さっきいた、

セントラルパーク

が、眼下に広がっている。

 

西に見えるのは、ハドソン川。

 

ウェンディ、昨日以上に、

ピッタリとくっついてくる。

自分の胸の鼓動、

伝わると、ハズイな。

 

「また、会える❓」

 

「会えるよ」

「ちょくちょく来るから」

 

「日本遠い・・・」

 

「確かに」

「ニューヨークから遠い」

「1万キロ離れているからね」

 

「でも・・・」

 

「でも❓」

 

「ウェンディの住んでいる」

「このマンハッタンの空は」

「この大空、成層圏を通じて」

「俺の住んでいる」

「東京とつながっているんだ」

 

蒼穹の向こう

 

には、俺がいるよ。

 

※トップオブロックから西を望む

 

この後、マジックアワーから、

宝石のような夜景が煌めく時間まで、

お互いの体温を感じながら、

一緒に過ごした。

 

※エンパイアステートビルを望む

 

いよいよ、明日は帰国。

 

 

(つづく)

 

※注※

トップオブロックでの言葉は、

江戸時代の仙台藩士、

林子平著の『海国兵談』

にある言葉、

「隅田川の水はテムズ川に通じる」

を、マネたものです。