「ハルカの光」ヤフー感想欄から | sorariri89のブログ

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「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」の
ヤフー「みんなの感想」から広がったブログです。書くことが好きで、日々の出来事から感じたことや自分のこと、ドラマのことやエッセイ、詩、時には小説、など綴っていきますので、どうぞ宜しくお願いいたします。


ヤフーテレビ「みんなの感想」が3月末で無くなるので、「ハルカの光」について投稿していた自分の感想をこちらに転載することにしました。

あんまり目立たなかったのか、感想は全部で36件、そのうち私は8投稿してます。
かなり気持ち入っていたんですね爆笑

ネタバレ避けるのならドラマを観終わってからが良いと思いますが、観ながらでも、観る前に全部お読みいただいても、楽しみ方が損なわれるというのは無いかなと思いますので、お読みいただければ嬉しいです。

(読みやすいように改行し直しています)



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第1話の感想

温かなひかり  (2021/03/09)

ひかりの定義。考えたことなかったなぁ…
ひとりを癒す…
人と人を照らし合う…
希望の道標になる…
最終話まで見終わったときにこれって浮かんでくるかな、そんなドラマが始まりました。
NHKのドラマならでは期待を裏切らない優しさです。セリフも、ひかりにまつわる柔らかで温かみがある言葉が多く、哀しさや切なさをふんわりとくるんでいるようで心穏やかに見られました。
古舘寛治も独特のゆるさで良い味を出していて好みなんですよね。イッセー尾形はクセが強すぎるときもあるけど、この鮨屋の大将は抑え気味で妻に先立たれた男の悲哀がしみじみと良かった。
ラスト、ムーンリバーをBGMに温かなひかりを放つペンダントを見つめ続けるハルカの横顔は、ティファニーのショーウィンドウを眺めるオードリーよろしく、凛としてとても美しかった。
ドラマというより古き良きアメリカ映画のワンシーンのようだった。次週も楽しみです。


第1話に登場する照明

ゴールデンベル

アルヴァ・アアルト作






第2話の感想

ありのままのこころとひかり  (2021/02/16)

人を見た目や職業で判断してはダメと言ったハルカ自身が無意識のうちにカテゴライズしていた。そうしてしまうのは手っ取り早く安心できるからだけど、ハルカは客の教授と良太郎がカップルだと分かった後、その意外な組み合わせの妙を相手に面と向かって口にする。
禁断にも程がある、と。
たしなめる店主に対して良太郎はそれを面白いと受け止める。
ハルカの心根の真っ直ぐさが彼を取り囲む砦を軽々と超えていくようで心地良かった。
反して避難所で母親がうちは誰も犠牲になっていないから笑ったり喜んだりするのはしばらくやめてとハルカに言ったのが重苦しかった。周囲の目は気にすべきものだけど、せめて自ら変な色をつけずにいられたら…
今回の照明はビニールのつるんとした質感でポップアートのオブジェのようで、女性のつんとした胸の膨らみをも連想させ、正に真っ赤な心臓。灯りを点すと一変して柔らかで温かな、とろんとしたひかりで心をなだめる三つのハート。そんな質感の変化がおもしろかった。そして塩見三省の抑制の効いた演技。あるがままながら、心の深淵に小石を一つ落としたような眼差しの揺らぎが印象的だった。


第2話に登場する照明

ワン・フロム・ザ・ハート

インゴ・マウラー作





第3話の感想

楽しんでください  (2021/02/23)

今回はこの言葉に尽きる。
がんばってる人にがんばってくださいというのはイヤなんです。
意表をつかれた。
ハルカの言葉に奮起して晴れの舞台とはならず、招待したのは最後のスパーリングを見てもらうための屋上の吹きさらし特等席。打たれてリングに沈みかけながらも、きっと左京は楽しむことができていたに違いない。次のステップを踏み出すために。
ジムのオーナーの娘が髪の毛をほどきまたまとめる仕草と表情を見せるロングショット。
全編通してスノッブなB級映画のようでいて、崩れた感じがしなかったのは、イサムノグチのちょうちん照明やなんの役にも立たない照明を紹介するハルカの無垢な想いや柔らかなひかりがアート感の品を添えていたから。劇中の選曲もしかり。1話、2話とはまた異なるなかなかセンスあふれる第3話だった。
逃げ出したいけどがんばってきたハルカが、ひかりに囲まれた今を楽しんでいるからうまれたストーリーだ。


第3話に登場する照明

アカリ

イサム・ノグチ作





第3話の感想

感度高し  (2021/02/23)

B級映画のようなって前の投稿で書きましたが、これは最大級の誉め言葉です。上から目線のような書き方になってたかもと反省。内容は勿論だけど、画もとても雰囲気あるし、その切り取り方、そして重ねる音楽がこれまた良かったのです。HPで確認したら演出家が1、2話とは違う方なんですね。なるほど。
オープニングのモノクロスローにクラシック曲を合わせてきたかと思いきや、反転、イヤでもアドレナリン湧き出るロッキーのテーマ。この曲ついこないだ別のドラマでも流れました。最高のやる気ミュージックですよね。タイトルの光のとこにちっちゃく2人いるし、終盤ロッキー左京がランニングするシーンは本家ロッキーがタンカーをバックに埠頭を加速して走る画に負けず劣らずの美しい疾走感があり、伴奏はwe will rock you!そして邪魔にならないようなクラシックが低く流れて画面に落ち着きと品を与えていますね。スノッブでなんか腕のある人が作った印象です。エンディングの曲からの次週の予告もセンスありすぎ。この曲なんていうのか、ご存知の方いらっしゃいませんか?NHKにも問い合わせしたけど、返事遅いだろうしな…




第3話の感想

リングに見立てた照明  (2021/02/25)

outさんの感想に、そうだったのかと目からウロコでした。オープニングのクラシックも聞いたことあるけど名前が出てこずで曲のことに気を取られ、肝心の照明がお留守になってました。他の方の感想読ませていただいて新たな見方ができたり共鳴できたりするととても嬉しくなります。
これまではその方の履歴を拝見できてもいたのに…
リニュほんと残念です。
わざわざ曲についてのコメントもありがとうございます。実は後で閃めいてSiriにきいたところ一発でした。初めて試して使える奴だったんだと、これまた目からウロコ。エミネムのlose yourself でした。なんか歌詞も合うわぁって感じで、拘り感ムンムンですね。
改めて照明をリングとして観ると左京とハルカのやりとりがより意味深く聞こえてきました。すると二人の表情にもより引きつけられるものが感じられました。技術はプロだけど、生き方はアマチュアのところの画の切り替わり、ジムでハルカがイヤリングを外すとこ、最後のジムの娘の表情の変化が示す左京との関係、セリフではなく画が多くを語る演出はかなり好きです。次回も同じ方なので期待大です。


第3話に登場する照明

トーフ

吉岡徳仁作






第4話の感想

光と心中は強烈だ  (2021/03/09)

緒川たまきさん、雰囲気のある女優さんで好きです。袖と足元に抜けのある黒いワンピース姿が上品で謎めいた女性にぴったりで、ハルカは白いワンピ。このコントラストが照明の展示された店内で映えた。カーテンを閉めて照明と二人のシルエットだけの画面も奥行きがあって洒落ていた。普通照明の光は黄色が暖かみを感じさせるものが多いけど、ハルカが見入ったこの子の上部は血を差したような、黄色だけでない色あいで、まるで脈打つもののようでもあった。だから惹かれたのかもとひとり納得。照明に関する蘊蓄ぶりから、多分別れた夫婦だろうとは予測できたものの、なんか釣り合わない。そう思っていたのに、別れ際に肩を抱いて耳元で何か囁く茜と僅かな表情の変化でそれを受ける西谷は女と男そのものでぞくっとした。ビートルズをギターで弾く西谷は裏寂しげだったが、昔は隣に茜がいたのだろうな。幸せを照明に、光に取られてしまっても、彼女は光を憎みきれないだろうし。
過去を吹っ切れて良かった。淡々と過去を話して「個人的な話をしてすみません」と謝るハルカの言葉がグッと刺さった。


第4話に登場する照明

ヒア・カムズ・ザ・サン

ベルトラン・バラス作





第5話の感想

静かに泣きました(2021/03/09)

名品中の名品照明がラストを飾りましたね。スーパー楕円のほっこり照明も素敵でした。照明を電気と言う父と、照明をこの子と呼ぶ娘。大きな幸せが何回かあるよりちょっとした幸せが沢山ある方がいいと言う母と、笑ってと言う娘。
柔らかな照明光でアップにされた父の、夕刻の陽の光を背に浴びた母の、刻まれた皺をなぞりたくなるような二人の表情には娘への愛情が溢れている。辛い記憶を飲み込んで前に進んでいくのに娘の存在は大きい。彼らには娘が光だ。娘のわだかまりも時を経た気持が溶かしてくれる。画面が滲んで仕方なかった西谷の思わせぶりの電話応答を二度も出されるとそうなの?って複雑な心境になるも種明かしされて胸を撫で下ろした。
その演出反則と思いつつ、西谷の気持ちはいじらしい。それ以上に反則なのがカバティーナ。というか、これ以上このドラマの締めくくりにふさわしい曲はないだろう。光は生活の中で生きている。闇を否定せず、それを受け入れることで新たな光が見えてくる。これが答え。心の傷を癒す優しくて温かな光のドラマをありがとう。ハルカには光がある名品中の名品光ドラマでした。


第5話に登場する照明

PHテーブル

ルイス・ポールセン/

ポール・ヘニングセン作






第5話の感想

放送曜日とか時間帯とか (2021/03/09)

その辺がエアポケットになってるのかもしれません。実際、好みだろうなと思ってた友人も見ておらず、たまたま話題に出たその土曜日と翌日の夕方のまとめ再放送に間に合い、絶賛してました。そして月曜日が最終話とは上手い流れを作ってるなと思いましたが…友人には教えてくれてありがとうって感謝されました。NHKってこういうこと割とありますよね。営業的鈍さというか、でも、ある意味それが上質なドラマを作れる余裕にもなってるのかもしれません。それから最後まで観て改めて美術的質の高さにも感心しました。店の内装とかハルカの部屋とか、すごくこだわりが心地よかった。そしてハルカがずっと店で着ているワンピース。色が白なのは照明を邪魔しないように、というか照明の光を受けとめるためだと思うけど、そのデザインや素材の凝りよう。襟のうしろのぴこっはずっと気になってたけど、よく見ると多分前はワッフルニットで、後ろはコットン系布帛なんですよね。それをリボンで結んで、前と後ろではシルエットが異なる。そして袖もとても凝ったデザインで、なんて可愛いいのと…音楽といい、本当にセンスのいいドラマでしたね。


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読み返すと、今ならもう少し違う書き方できるかも、と思う以上に悪目立ちしてるのが投稿ごとの文末のバラツキ。まとめてみると一貫性無いのにも程がある!で、お恥ずかしい限りです笑い泣き

何字だったかの字数制限もあって、このドラマの感想は不完全燃焼気味だった記憶もあります。

なんせ長文ダラダラ派なもので…

再放送で第一話を見て、新たに書きとめておきたいこともムクムクと。

また書くかも知れませんが、その時はまたお付き合いいただければ嬉しいです。

ありがとうございました😊