■空海

 最澄に宛てた空海筆の手紙である「風信帖」のなかに書かれている「空海」の臨書(模写)である。
 はるかなる宇宙へとつながり、宇宙観をはぐくむ広大無辺な空と海は一如の世界。空海が請来した密教の哲学は、神秘体験によって
宇宙と一体化し、生きながらにして仏となり解脱(げだつ)しようとするものであった。(キャプション  岡本光平)




きょうは近鉄奈良店で岡本光平 空海展の初日がスタートしました。
 思わぬ遠方からのご来場に驚いた一日でした。
 北からは山形県酒田市から母娘、宮城県仙台市からご夫婦、西日本からは高松市にある高野山讃岐別院の峰見行聖主監さん、空海さんの出身地である善通寺市からもご来場。
 奈良はもちろん東京、名古屋、京都、兵庫からもお越しくださいました皆様、ありがとうございました。
 皆様がくださったパワーに感謝しながら会場の作品を見直したとき、掛軸「験力」から「空海」さんのオーラを感じました。

 ■験力(けんりき)

 験とはきざし、前兆。神仏のあらわす霊験。日本には古代からの山岳信仰と仏教が結びついた独自の修験道という文化がある。
 その修行を積んだ効きめを示すことを意味するが、若き空海は修験者の群れに身を投じ、心身を鍛え上げることで超絶した能力を得た。(キャプション 岡本光平)




岡本光平展「空海と奈良の都」
6月4日まで、近鉄奈良店  5階美術画廊にて開催中