高松三越の仕事明けに初お遍路に挑戦した。
四国霊場八十八ヵ所は今まで7ヵ寺お参りしているが、自分の足で歩くのは今回が初めて。
仙台でも有名な手打ち蕎麦屋さんをやりながら、高山植物を撮っていたカメラマンの野沢文夫さんが東日本大震災を期に四国に移住。
四国のヘソである高知県仁淀川町を拠点に一周1400キロメートルの四国遍路を4回も踏破、クルマでの撮影では80回近く回っているとのこと。(もう先達さん!)
「祈り」を撮り続けて4年、5月からは次のテーマの地に赴くので、一緒にお遍路をしませんか? と嬉しい誘いが舞い降りた。
楽しみに待っていた初お遍路、昨夜泊まった遍路宿も初体験だった。
だけどせっかくの遍路なのに夜中から止まない雨の中を、朝6時30分に出発。
80番札所国分寺では境内に奈良時代の聖武天皇発願により、全国に建立された国分寺の巨大な礎石がそのまま残っている姿に息をのんだ。
そこから高低さ360メートルの峰を一気に登り詰め、81番札所白峯寺へ。
たどり着いた白峯寺には75代崇徳天皇のご陵があり、ここを尋ねた西行の足跡をたどることが今回の目的だった。
ご陵に近づく道は雨に濡れそぼる椿の参道で、ご陵への石段は霧雨に煙る幻想的な異空間だった。
都を遠く離れてこの地に果てた崇徳院が遺した悲痛な歌
松山や 浪に流れてこし船の やがて空しくなりにけるかな
雨に閉ざされた別世界のような山道を歩きながら、野沢さんと様々な話を交わした。
普通は弘法大師空海さんと同行二人の遍路というが、今日はお大師さんのように温かく包んでくださる野沢さんに導かれて感動的な遍路初体験を味わうことが出来た。

国分寺


奈良時代の梵鐘

10分の1で再現された石の国分寺

奥の峰を越えて白峯寺へ

見下ろす麓には溜池の風景

遍路道


これより聖域


崇徳院の御陵へ続く石段




野沢さん