この時代の子供達… | 空の宇珠 海の渦 

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-そらのうず うみのうず-
空海の小説と宇宙のお話






私には小学6年生の息子がいる。


サッカーをやっているので、運動神経はそれほど悪くない。



先日、その息子と桜井の倉橋のため池に釣りに行った。


2年ぶりくらいだろうか?


魚は釣れなかったが、そこで気になることがあった。



「まって~!」という声がする。


草が生い茂る上り坂。


息子は池の土手をふらふらしながら登っていた。



平坦な道ならば、私に負けることはない。


私が5km走る間に、彼は6.5km程走る。


そんな息子が、草むらを登るのに四苦八苦。



「情けない奴やな~」


と言いつつも、その様子が気になる。



良く見ると、身体が立っている。



急な上り坂を登るには…


手をつくぐらいに身体を斜面に近づけないと不安定になる。



それが、全く出来ていない。



そうだ、最近の子供は…急な坂を登ることは無いのだ。



その事実に唖然とした。



そんな事は、教えなくても出来ると思っていた。



だが、体験は全てを変える。



身についていないことは、簡単な動作でも出来ないのだ。



私の子供の頃は、ほとんど外で過ごしたような気がする。


だが、今は周りに自然もないし、走り回れる場所も無い。



運動をしている息子ですらこうなのだ。


運動をしていない子供の事を考えると恐ろしい。




今回の地震のような有事の際、逃げられるのか?


そんな事を考えてしまう。



縄文時代の子供は、何も無くても生きて行けるだろう。


だが、今の子供はどうであろうか…


火も起こせないし、食べ物も調達出来ないであろう。



生きる力は、現代の方が遙かに低いのだ。


だが、DNAはほとんど同じ筈だ。


縄文時代の子供でも、現代で育てばこうなるのだ。



人は周りの環境で変化していく。


良くも悪くもそういう生き物なのだ。


ちょっと考えさせられた出来事であった。



今度、息子と三輪山にお参りしよう。


そんな事を考えていた。