「ゲンシンゲンですか？」
この夏休み、定期検診に行った折、
病院でレントゲンを撮るのに待合にいましたら、
長椅子に置いていたスポーツバックから
ゲンシンゲンがのぞいていたのを見て、
声をかけてくださったお母さまがいました。
お嬢様は小学中学年、ゲンシンゲンをし始めた頃のようでした。
娘さんも同じ頃から、コルセットをすることになったので、
そんなお話から始まって、
色々…お聴きしたりお話したり…
尽きなかったです
子ども達の方が、「まだ～？
」モードに
その中で、
お母さまの言葉の中で、
娘の周りには、コルセットする子がいない。
今、スマホでも、
何かの話題で盛り上がるグループみたいなのがあるのだけれど、
同じ子ども達で繋がるそういうの、
あったらいいな…、
というようなことをお話されていました。
本人にしかわからないコルセットをしなければならない、
孤独感。
今、自分は痛くも痒くもないのに。
この夏、娘さんはあるワークショップに参加していたのですが、そのグループに側弯症の年下の女の子がいたことに、驚いたようで「話しかけてみようかな。」と嬉しそうに話してくれたのが印象的でした。
中学１年生の時も、「私も側弯症だよっ」と娘さんに話してくれたお友達はいたようですが、そのお友達はその後もコルセットまでは至らなかったから娘さんとしては同じフィールドではなかったのかも。
親である私も引越などで、
周囲に側弯症のことを話せるママ友も作れないままでしたが、
特発性側弯症の子どもを持つ先輩お母さまのブログで
共感したり、救われたりしてこれました。
ですが、
娘さんの、ひとり、は、いかほどのものだったでしょう…
と、改めて省みてしまいました。
手術は絶対にさせない
コルセットはすべき当然の大前提で、
手術を前にすれば、
娘さんの、ひとり、など
娘さんが乗り越える当然の課題
なんともその点は非常にクールな母なのでした。
でもね、ごにょごにょ…
それ以外のホローは全力で頑張った
つもり…ごにょごにょ
娘さんは比較的すんなり着けてくれていましたが、
それでも、
長いコルセット道中、大きなの２度ほど…
全ては母の節目節目の治療選択の迷いと、
「お母さんは、言ってることがコロコロ変わる！」
「私の背中！」
「お母さんが悲しい顔をするからコルセットしている。背中なんてどーでもいい！」
母の心配しすぎの圧が勃発の種
ごにょごにょ…
至らないこと多くて…
思春期と学校を生きる娘さん。
親の不安と心配と。
本当に難しいです。
こんなふうに思うのです。
シュロス法に出会う前、私は、
一方通行的な考え方でいました。
進む可能性のあるコブ角に、進まないよう祈る毎日。
真っ直ぐが正しくて…、
歪曲がシビアになっていくと手術になる、
そんな一方通行なだけの世界でした。
シュロス法に出会ってからは、
側弯症はつくづく個性なんだと思うようになりました。
なぜって、
たとえ歪曲がシビアでも本人に不便がないなら
個性は個性のまま過ごしてゆけること、
一辺倒ではないこと。
選択肢の幅が広がり、心に少し余裕ができた。
自分で選択できる。
この先、娘さんが成人してから…
母くらいの年齢になってから…
もし不具合がでてきたら…
娘さん自身がどうするか選択していったらいい。
その頃には、
手術の技術もさらに進化して、
遺伝子の研究もより深まり、
コルセットもますます改良されて、
側弯症の認知もきっとずっと広がって…
いると思うのです。
骨折のギブス。
歯科矯正の矯正器具。
特発性側弯症のコルセット。
誤解を恐れずに言うなら、
今は、私の中ではほぼ同じ感覚です。
しっかりと合ったコルセットを
しっかりと着用さえできれば…
そのための理解ある環境と。
もっと、側弯症の認知度が広がれば良いなと思います。
シュロス法的な考え方が。
そして早期発見、早期治療をすれば、
大事に至らないことも多い。
学校現場でも、もっと正しい認知と理解が広がれば。
重いランドセル、鞄、荷物の配慮。
暑い時期の登下校のコルセット。
学校時のコルセットの着脱。
思春期大半を過ごす学校現場で、
もっと正しい理解が深まれば…、
コルセット治療は何も特別なことではないと。
なんなら教室の中で、
バックからコルセットを取り出して、
（登校中、暑いからしないけどさっ
）
「ちょっと失礼、コルセットするねっ
」
なんて、
ちゃちゃっとコルセットしちゃったり
この度、待合でお話ししたことを思い出しながら
そんなこんなをつらつら思い巡らせておりました。
お声かけくださったお母さま、お話しできて嬉しかったです！
ありがとうございました