頭が熱で膨らんだようにぼうっとした。目を開けているつもりでも、視界は真っ暗に覆われ、所々で青い光がちかちか影を残している
そのまま、折るようにして身を屈めたが、しっかり地に足を着けている感覚がなかった。返事などとてもできない
持っていた水の入った壷は無事だろうか。割れる音は聞こえなかったが、耳の奥が張って、ワンワンとした耳鳴りしか聞こえない
少しすると、徐々に外の音は戻り、視界も晴れたが、代わりに強い気分の悪さが残った。目に映る世界は全体に薄い青い幕が降りて、色が抑えられていた
セイアはそこに、水のたっぷり入った縦長の壷が地についてるのを見た。そこで、ようやく肩でほっと息を吐いた
自分の荷を置いて、セイアの元に駆け寄ったサルムは、セイアの動悸や肌の温度を確かめたあと、閉じていたその瞼を指で開けた
「おい、大丈夫か」
サルムが心配そうに、けれど少し苛立ちを込めた声で聞いた