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通勤時の読書の備忘録です。

伽古屋圭一「なないろ金平糖 いろりの事件簿」

最近お気に入りの作家さんです。
 
大正時代、日本橋の金平糖屋の一人娘いろりは高女を卒業し今は店の手伝いをしている。猫のジロと会話ができるいろはは過去見や未来見など不思議な力を持っていた。道でぶつかった絹が失くした母親の形見の人形を過去見で探し、形見に込めた母親の思いを伝えたことで絹に慕われるようになる。いろりは絹に力のことを伝えるか逡巡しつつ遭遇する事件を解決していくなか、絹がいろりと間違えられて攫われてしまう。いろりは持てる力を振り絞りジロとともに絹の救出に向かう。
 
少女と猫の軽い探偵物と思って読み進めると以外に重い話になっていきました。9歳のとき猫を助けたことで突然不思議な力を持ったいろり、その少し前に世間を騒がせていたのが御船千鶴子の千里眼事件、千里眼に対する世間の誹謗中傷が激しい中、学校では力を隠しきれず苛烈ないじめにあい、孤独に過ごした学生時代だった。絹と出会い親しくなるにつれ力のことを話すべきか悩む。その2人の前に現れたのがいろりが学校時代にいじめの先頭にたっていた志津だった。志津は盗賊の一味になっていていろりの力を利用するために近づいてきた。そして盗賊の仲間に絹が攫われてしまう。
大正時代という設定がとてもよい。東京の町の描写もわかりやすくよい雰囲気です。この作家さんはいつも緻密な設定をされていてとても好感が持てます。