「そんな人、別れちゃいなよ」
「もっとしあわせな人生を生きることができるよ」
20代なかばの独身時代に出会った友人たちは、
いとも簡単にそんな言葉をわたしにかけてくれたが、
すでに結婚している人や、
今のわたしの年齢になった人に、
なかなかそんな言葉はかけづらい。
でも、正直言って、そんな言葉をかけたくなる人がたくさんいる。
「なぜ、そんなパートナーと一緒にいるの。」
「なぜ、そんな人生に甘んじているの。」
それはその人の人生だから、
余計なおせっかいなのだとは思いつつも、
そんな言葉が、喉まで出かかる。
自分の人生の操縦席をだれかに明け渡したまま、
不平不満ばかり言っている人を見ると、
軽く憤りを感じてしまうのは、
過去の自分自身に対する憤りなのかもしれない。
「自立」とは、
決して、
だれも頼らないことではない。
だれにも甘えないことではない。
たくさんの人の手を借りつつも、
自分の意志で生きること。
だれかやなにかのせいにせず、
自分の人生に責任をもつこと。
自分が人生の操縦席に座り、
自分の手で舵をとること。
思い立ったが吉日。
今からでも遅くはない。
天からお迎えがくる前に、
人生の舵を自分の手にとりもどそう。