学生1:유현석(ユ・ヒョンソク)
学生2:김기택(キム・ギテク)
学生3:오정택(オ・ジョンテク)
学生4:배훈(ペ・フン)
ファンの方々の口コミで、ヒョンソクさん学生1がめちゃくちゃよくなってると聞いていたところ、それはそれはもう楽しみにやってまいりました。そして結果・・めっちゃよかったです!!
今回書きたいことあまりに多すぎるんですが、全部書く勢いなので読まれる方は覚悟してください笑。
学生1:유현석
ヒョンソクさんが序盤の頃よりよくなった点を洗いざらい書き出したいところ、何よりも言っておきたいのは学生1の孤独さがめちゃくちゃ増してたことです。物語の流れには逆らいますが、この演劇のラストシーンで学生1以外の3人は現実へと戻っていき、舞台上には学生1だけが残されます。一人舞台上に寝転がり天を仰いでいるところ、学生1の耳に他の3人たちの声が聞こえてきます。するとヒョンソク学生1は他の3人の台詞を追いかけるように口パクで同じ台詞を反復しながら、自分の手を宙に伸ばしたのです。その瞬間、学生1がいかに孤独だったのかが伝わってきまして、だから他の3人に友情を、夢を求めてたんだと、自分を満たして欲しかったんだと、そんな終わり方を見せてくれたヒョンソク学生1。私の予想をはるかに上回る素敵な結末を作ってくれました。
さて、ここからは物語の流れに沿って書いていきます。
個人的にヒョンソクさんがすごくよくなったと感じた理由の1つに、手の使い方があります。上述したように、ラストシーンでまるで3人を求めるかのように宙に手を伸ばしたのもしかり、ジュリエット(学生2)の手を優しく握って自分の胸に当てたあと、自分の手でその胸を叩いたのもしかり、すごく印象的な手の使い方をされるようになったんです。これはとてもいい変化。
ロレンス神父の司祭館
序盤の頃よりだいぶ余裕が出てきたのが明らかで、ロレンス神父のところへジュリエットとの出会いを報告しに行くシーンでは、ジョンテクさんとのアドリブを含めた掛け合いがめちゃくちゃ面白かったです。特に、自分(ロミオ・学生1)とジュリエット(学生2)との仲を取り持ってもらいたいのに神父(学生3)がその願いをなかなか聞き入れてくれないと分かると我慢の限界が来て戦闘態勢に入り笑、1幕オープニングで学生1と3が見せる取っ組み合い(観劇経験ある人向けに説明すると、マブの女王の直前のシーンです。)を再現し始めたんです。ジョンテクさんがそのアドリブを拾わないわけがなく笑、二人で今にも取っ組み合いを始めそうなところまで雰囲気を持っていき、会場大爆笑!ヒョンソクさんの余裕っぷりがよくわかる1シーンでした。
ロミオの追放
私がこの演劇で「よくこの演出考えたな」と思っているシーンが、ティボルトを殺したロミオに追放という判決が下るシーンです。ここは学生たちが領主の声をやったと思えばすぐにベンヴォーリオになったりと役の変化が忙しいところなんですが、「ロミオを追放する!」と結論を突きつけるのはもちろん領主でして、その台詞をあえて学生1(ロミオ役)に言わせるのです。
この演出すごいと思いませんか?
自ら「追放だ」と己に突きつけるのです。
こういう演出になると、それぞれの学生1がどういう言い方をするのか比べたくなるのがオタクです。
多くの学生1は「(ティボルトを殺した)その罪を問い、今すぐロミオを」の台詞までは領主、続く「追放する」でロミオになります。しかしヒョンソクさんは違う。新しい学生1を見せてくれました。領主として「その罪を問い、今すぐロミオを追放する!」まで勢いよく言ってしまい、その台詞を言ったことで我に返り追放という事実に呆然とするばかりでなく、その台詞が終わってからは学生2が舞台から去るまでずっと学生2を見つめるのです。なんと新しい演出!!ヒョンソクさん天才か。この解釈は新鮮でした。
学生2:김기택
何度でも言う。
今期私のイチオシ学生2。
使いから戻った乳母
ロミオ(学生1)のもとへ乳母(学生4)を使いにやったもののなかなか戻ってこない乳母に苛立ちを隠せないジュリエット(学生2)。ようやく姿が見えたと思っても、なかなかに歩みが遅い乳母。早く帰ってきてほしいあまり、その場でジャンプし手招きし、自分の身体を精一杯伸ばし、とにかくあらゆる手段を使って乳母の歩みを進めようとするギテクジュリエット最高に可愛くてわたくし死にそう笑。
やっとのことで乳母は戻ってきたものの、「疲れました。死にそうだったんですよ。」と言うばかりで、ジュリエットが知りたがってるロミオからの答えをなかなか言いません。ジュリエットが早く教えてほしいと催促すると「少しぐらい待てないんですか」と切り返され、思わず「うんっっ」とその場に足広げて座り込んでまさかの地団駄踏むギテクジュリエットw可愛すぎるからやめてwww
散々歩き回った乳母は足が痛いと言うので、ジュリエットは足を伸ばせる足置き台を用意すべく上手側前方に置いてある椅子を取りに行きます。
・・・が!ここで事件発生w
ギテクジュリエットがその椅子を掴むよりも早く、その椅子のそばに座っていたジョンテクさんが椅子を奪ってしまいwwwびっくりしたギテクジュリエットは力技で椅子を奪います笑。
乳母が足を椅子に乗せて休ませたのも束の間、次は「頭が痛い」と言い始め、ギテクジュリエットは頭を寝かせられる椅子を用意すべく、次は下手側前方に取りに行きます。しかし先程のギテクさんとジョンテクさんのやり取りをしっかりと観ていた下手側に待機中のヒョンソクさん。ギテクさんが動き出すよりも先に動き始め下手側の椅子を奪おうとしたのですが、それを察したギテクさんのダッシュがめちゃくちゃ早かったwww結果ギテクジュリエット勝利w
この一連のアドリブには会場大爆笑でした。
結婚式
ロミオ(学生1)とジュリエット(学生2)は真剣に結婚式のシーンを進行させますが、学生3と4がそれを邪魔します(余談ですが、ロミオとジュリエットの邪魔をする学生3と4は途中から台詞がなくなるため、まさに二人の未来を邪魔する障壁そのものを表現しているのではないかと個人的には考えています)。勢い余った学生3は、学生1の頭を本で殴ってしまい、そこで初めて我に返り自分の中に潜む暴力性に愕然とします。
しかしそんな暴力にもめげず、学生1は姿勢を起こしまっすぐに学生2を見つめます。ここでようやく学生1と2の本気度を理解した学生3は、本を再び手に取り学生1の前に立ちます。その瞬間、ギテク学生2は「また学生1が殴られる!」と思って首をすくめたんです。実際は学生1に本を渡そうとしたのですが、これまでの流れを考えるとこの学生2の反応はもっともで、この小技は思わず「うまっ!」と心のなかで叫びました。
2幕オープニング
ジュリエット(学生2)が自分の寝室を整えるところから始まります。
部屋を整えながら「神様、私のところへロミオがやってきますように」とお祈りのような言葉を言うジュリエット。スンアンさんとスンジョンさんは落ち着いた声で静かにこのシーンを進行させるのですが、ギテクさんは恋に恋する乙女的な感じでちょっとテンションが高め。実際胸の前で両手を組み、天に向かってこの台詞を言うのです。私の知る限り、このやり方をするのはギテクさんだけ。恋を知った喜びを全身で表すうまいやり方だなあと感心しました。
学生3:오정택
とにかくアドリブの量が半端ない!
しかも観るたびに新しいアドリブをぶち込んでくるものだから、この方の思考回路はどうなってるのかと思わざるを得ませんwアドリブについては打ち合わせしているのかいないのか真偽のほどは不明ですが、最近の公演でスンアンさんかまマジギレしてたところを見ると、打ち合わせしていないこともあるようです笑。
+学生4:배훈
初演では、学生1が4人の中心人物でしたが、再演ではその重点が学生2に少しだけシフトしたような感じがする、と書きました(2019年にね・・)。そして今期四演。学生3と学生4の存在感が今まで以上に増したことに伴い、学生1と2が中心人物という感じはかなり薄まりました。これは主役が誰か分からなくなったということではなく、4人の中には4人それぞれの立ち位置があり、それが同じラインで見えるようになったということです。正直言って、これはジョンテクさんの力量によるところが大きい。
もちろん「ロミオとジュリエット」の物語の中心はこの二人ですし、その意味でそれを演じる学生1と2が主役であることは変わりありませんが、3と4が主役の二人をどのように慰め、導き、愛情・友情を示すかによってまったく違う作品となってくるぐらいなのです。
私は初演再演キャストも大好きでしたし、初演再演での観劇において不満に思ったようなことなんてないですが、再演を重ねることによりこういう変化が出てくるのは舞台の醍醐味ですし、だから観劇やめられないんですよね!