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ようこそサラームカフェ へ![]()
店主の坂井真紀子です。
アフリカにかかわる日々の研究しごとの一部をご紹介するスペースです。
アフリカを中心とした話題や、最近読んでいる本、人とのつながりなどをランダムに綴っています。
どうぞお楽しみください♪
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チーム・バオバブ
調査に協力してくれている学生さんが所属するサッカーチーム・バオバブの試合を見てきました。
バオバブは交差点の名前で、この周りにあるキオスクのおじさんが中心になって作ったチームです。ここに集うバイクタクシーの若者が主戦力。
昨日の対戦相手はチーム・イヴ、こちらも交差点を拠点とするバイクタクシーの若者のチームです。
週に一度、色々な対戦相手と試合をしているとのこと。
あいにく試合直前に大雨が降ってピッチはドロドロでしたが、いつも雨天決行らしいのでコンディションはいい方なのかも?
大学構内のサッカー場で行われましたが、どこまでがピッチでどこからが場外なのか不明(笑)。ベンチがピッチの中にある状態でした。
私はチーム・バオバブのベンチで一緒に応援させてもらったので、臨場感いっぱいに試合を楽しめました。
先行されたものの2点連続のゴールを決めて、逆転できるかもと思ったのですが、最終的には5−3で負けてしまいました。残念!でもみんな晴れ晴れして気持ち良い終わり方でした。
みんな、いい仲間です!
うちの調査チームの主戦力Rくん。
システム憎んで、人を憎まず。
昨日、パリのカメルーン大使館にビザ申請に行きました。
玄関で訪問者をさばいていた外交官が言うことには「金曜日の午後は受け付けていません。月曜日に再度来てください。朝5時から並べばお昼には受付できると思います。すごい長蛇の列ですけど。」
えええ〜と困ったふりをしたら、別ルートで手続きしてあげるからいらっしゃいと。
彼のオフィスで書類を渡し、待ちながら考えるに、あまりに特別扱い、あまりに親切。
こりゃタダじゃないなと思っていたら、案の定。
「今日は受付日でないのに特別に担当の女性が手続きしてくれた。ついては50ユーロを追加で払えないか?」との打診あり。うわ、クラシックすぎる〜〜〜。
「いやいや、私は今日中にやってくれなどと頼んでません。1週間後に取りに来ますから。そもそもその50ユーロ、領収書が出せるんですか?」と聞いたところ、それはできないとの返事。
「そのお金、カメルーンの国庫にきちんと入るサービス料ならいざ知らず、個人には払えませんよ。ビザの発給は個人事業じゃないですよね。」ときっぱり。ばつが悪そうにもじもじする外交官。「いや、僕じゃなくて窓口の女性が…。ビザはもう発給しちゃったんで、あなたがどうするか決めてください。」「じゃ、当然払いません。こう言うのCorruptionですよね。もう流行遅れですよ。」言いたいこと全部言いました。
結果、“長蛇の列”に並ぶことなく、1週間待つことなく、その場でビザ発給となりました。どうもありがとう!
アフリカに関わりだしてから、こう言う経験はもう嫌というほどしています。思い出したのは、前回カメルーンに行って携帯電話の契約をしたところ、バイトの女の子が「ネット接続には追加で1000CFA(約200円)必要です。」と言うので「領収書にその金額も入れてください。」と言ったら、それはできないとの返事。その子はそうやってよく状況をわからない外国人からこずかいをちびちび稼いでいたんですね。押し問答の結果、上司が出てきて、頭を下げて私に1000CFAを返金しました。
こう言う場合、悲しい思いはするけれど、個人に対して非難の気持ちは持たないようにしています。システム憎んで、人を憎まず。もし私がその子と同じ環境に生まれていたら、何の疑いも持たず同じことをしていたことは確実だから。でも少しでも私が貢献できることだと思って、めんどくさくても理屈は通します。
近い将来、悪しきシステムは変わると信じて。
5月1日のパリのデモ
行くなと言われると行きたくなる。人の世の常です。
今回は同居人のブラジル人の教授に熱烈に誘われて、
5月1日(水)に行われたメーデーのパレードというかデモを見学してきました。
午後2時にモンパルナスを出発しPlace d'Italieまで。
毎年5月1日に行われる恒例の労働デーのパレードですが、今回は労働組合に加え、毎週土曜日に集まっているGilets Jaunesが合流するとあって警察の警備は一層ピリピリ。特にこうしたデモに乗じて暴力的な行動を起こし秩序を乱す一群Black Blocに対して警戒を強めていました。
(警察が催涙ガスを撒いたところもあったけど、危ないことには巻き込まれなかったのでご安心を。)
実際に現場に行ってみると、本当に暴力的なグループは一握りで、国内外の喫緊の問題を抱えたグループが、それぞれ自分たちの主張を公に表明する機会になっています。目に映っただけでも様々な問題群がありました。イスラエルのパレスティナ占拠に対する抗議、女性の権利、マルクスの復活、アフリカの移民を中心としたSans Papiers (滞在許可を得られていない人たち)、気候変動に対する警告、税金問題…。
その一方で、ホットドッグなどの屋台もでて、高校生の女の子たちがお手製のケーキを売り歩いてたりして。
マクロン大統領個人の責任というより、長いこと鬱積していた格差の問題から始まって、グローバル資本主義が作り出した現状が、国内外関係なく社会の機能不全を起こしているのだと思います。もはや絆創膏を貼ってもごまかせないレベルかも。
少なくとも、フランスはまだ何かを主張する元気がある。
日本は、忙しすぎて、社会のあり方に疑問を持つとか、政治に関心を持つというちょっとした心の余裕すらない。こちらの方がある意味深刻な状況かもしれません。
「忙しい」ことを言い訳に、思考停止していた自分自身おおいに反省しています。
今のGilets Jaunes運動についていろいろな人に意見を聞くと、実際に毎週土曜日にデモに参加する人はもちろん現在の政府に怒り心頭だし、タクシー運転手などガソリン税の値上げなど生活に直接影響のある人も、参加しなくともデモに好意的です。その一方で冷めた目で距離を置いてみている人もいます。
何れにしても、秩序を失っては対話に進めないので、暴力や激情に飲み込まれませんように。
私の頭では理解できないことだらけですが、引き続き考え続けていきたいと思います。
博論の口頭試問
友人の阿毛香絵さんの博士論文の口頭試問に出席してきました。
テーマは「セネガルの高等教育の現場におけるイスラームのダイナミズム」
(Les dynamiques de l’islam dans les lieux de l’enseignement supérieur au Sénégal)
この論文は、まさに阿毛さんのこれまでの人生の集大成。
セネガル留学をきっかけに、若者たちの心の拠り所としてのイスラーム運動に深く入りこんだからこそ実現した
若い世代への膨大なインタビューをベースにした社会分析です。
イスラームというと、今はすぐに原理主義や過激なテロリストを連想してしまいますが、もともと非常に穏健で日常生活や社会のあるべき姿を示す深淵な歴史のある世界宗教の一つです。セネガルのイスラームは、独自の発展をしていて、社会変容との関連を見ていく上でとても面白い領域だと思います。長時間に渡った質疑応答を通して、阿毛さんが悩んで考え続けた道のりそのものがとても貴重なエレメントとして論文に結晶していることがよくわかりました。これからのアフリカ社会の政治経済を含めたあり方を”下から”見ていく上で、大きなヒントが得られそうです。
一番心に残ったことは、阿毛さんの研究のスタートのきっかけについてです。
阿毛さんは、日本の母校が目先の効率や利益を優先して、一般企業とのコラボへと舵を切る状況に疑問を持っていたところ、セネガルの大学生たちがイスラームの存在を通して根源的に人生や社会を問い直すという本来の高等教育の場を自ら作り上げていることに感銘をうけ研究を始めたと語っていました。
この点、非常に共感しました。私も言いたいことはたくさんあります。
大学の本来の役割は、損得勘定で点数を稼ぐ浅知恵をつけることではないはずですから。
アフリカの若者の知性の深さと成熟を思うと、形勢が逆転する日も近いかもしれません。
生きる意味、自分が他者とともにこの世界に存在する不思議、「根源的な何か」をとことん考えること、”深く思考し学び合う”こと、それが許される空間をセネガルの大学に阿毛さんが見つけたことに感銘をうけました。
そうですよね、私も学ぶものがアフリカにこそある気がして、離れられないでいます。
阿毛ワールドの今後の展開が楽しみです!
PS.阿毛さんには、私の留守中、2年生の授業「フランス語で見るアフリカ」のピンチヒッターをお願いしています。感謝!



