踏襲 | On the White Line.

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リハビリ中WWA作成者の日記。映像は引退。

もうほんと何年ぶりかにショートストーリーを書いたわ。
比較的書くのが容易だったわあ。

んでね、ブログというのは、便利なもので、記事をカテゴリー別に表示してくれるのよね。

んで、そのカテゴリーに、すっかり存在を忘れていた、中学卒業時に書いたちょっとした小説を見つけてね。


あれは、中学時代の友人が書いてくれ、って言ったから書いたんだよな。
どうして俺が話を作ることをあいつが知ったのかは覚えてないんだけど、
なぜか卒業手前になって書いてくれって言ったんだよな。
そして、卒業式の日にわたしたんだよ。

優しい人々。って話ね。
今読んでみるといろいろ稚拙だなー。としか言えなくて笑っちゃったけど、
今よりも論理的だなーと感心した。
いまじゃとても書けないよ。
赤坂とピッキングのやりとりは、なかなか緊迫感のあるもんだな。
あんだけ馬鹿な脳でも頑張ったもんだなっておもった。

正直、あの話は今まで黒歴史として見て見ぬふりしてたんだよね。
だから、本当にすっかり忘れていた。
しかし、読み進めていくごとに、当時描写していたガラスの廊下や事件現場、閉じ込められてたトイレとか、忠実に思い出せたんだよね。
すごいなあ。記憶って、意外ときっかけがあれば、取り戻せるもんなんだなあ。

それ以外にも、この話にはいろいろと驚かされたよ。

まず、この話、怪盗話だったってことなんだよね。
この話は、どんな鍵でも解錠できる怪盗ピッキング(ピッキングとキング(王)をかけたネーミング)が活躍するんだが、
これがどうも脚本1作目の怪盗パーフェクトに近いものがあるなーと思った。
パーフェクトを書く時は、この話のことなんてすっかり忘れていたのに、
なんだか知らず知らずのうちに、義賊的なところを踏襲していたような気がするよ。

それに、この主人公は、父が成功していく過程で変わっていく環境と人々の中で生きていくうちに、
「自分が自分でないような感覚」に襲われているという描写が妙に刺さった。
作品を読めば、そのひとがどういう思考と深層意識があるかなんとなくわかるんだけど、どうやら俺は、そんなことを無意識のうちに、感じて主人公に投射していたんだな。

あの小説は、途中で卒業式に間に合わないぞ、という焦りの中でラストを書いたから、ラストが雑だった印象がある。もうちょっときれいに書ければ、もっといい話になっただろうね。
みると、いまの俺がみても、なかなかいい話だから、なおさらだ。
なんだ、俺ってすげえじゃん。

友人のあいつは、印刷された、その小説を持って、満面の笑みで言ったんだ。
「お前が忘れたときに、小説大賞に出してやるんだ」って。
俺は笑いながら、
「無茶言わないでよ。」
と返してやった。
たしか、そのときは、卒業式がおわって、桜の花びらがきらめく、暖かなぼんやりとした日差しの下だった。

友人ルーン氏。彼女がこの話の発起人だ。
ちなみに、彼女は名の通りlineシリーズのルーンのモデルになったやつだ。
さながら私は毎日のようにメイシーのように、いつも叩かれ殴られていた。
よく物を隠されたりもした。
カバンに100匀の南京錠をかけられ、それに気づかずカバンを持ち帰り、
カバンがあけられねえじゃねえかよ!宿題あんのによぉ!!あの馬鹿野郎!
ってなった珍事態もあった。
(こう書くと物凄く語弊があるが、別にいじめられてたわけではない)

しかし、いまおもうと、それはあいつの精一杯の照れ隠しのように思てならない。

ちなみに、このピッキング、原案はこのルーン氏からであった。
南京錠のくだりのとき、このキャラクターはどうだと提案してきたのだ。
面白いな。やってみるか。と、俺はのってきて、そして書いた次第である。

あいつは俺のことを信用していた。
信用していたこそあんなことができたんだな、と今になっておもう。
そして、
あれ?俺ってドMか?
と、今になって気づいて寒気がしたのであった。

ルーン氏。
ネウロを勧めたら俺よりハマった彼女とは、卒業してから会っていない。
彼女はいま、なにをしているのだろうか。
フェイスブックに私の本名出したら気づいてくれるかなあ。

そんなことを考えた、初夏の深夜であった。

p.s
すっかり話の路線がかわってしまい、書けなかった要素があったのでここに書く。
この「優しい人々」という話のあとに、もう一つ小説を書いたことを思い出した。

それは、完成できず、消してしまったのだが、
そのタイトルが、「SUG(スッグ)」というものだった。
中学校校舎に「すぐ」行ける秘密の近道をめぐる話なのだが、
この「SUG」の正式名称が、「Super Ura Gate」であった。

私って、やっぱり、中学生当時から、なんら変わってないのかもしれない。