尊敬している人がいる。
その人はいつまでも尊敬するはずだった。
いや。その人が目標であり、そのような人になりたかったはずだった。
けど、あるひ、その人の文章を読むと、変な心持がした。
今までに感じたことのない、やな気持ちがした。
少し前まで、その人の文章がどんな人のそれよりも好きだったはずなのに、
なんだかやかましく聞こえた。
そして、同時にいつのまにか、そのひとから心が離れて行っていたと気づいた。
俺は興味を、数か月前の半分以下にまでいつのまにか落としていた。
ちょうどそのころ、私は、自身がプロジェクトリーダーとなって、企画を推し進めていた。
何もかもそっちのけで、何もかもを自分で動かし、何もかもこなしていった。
そうしていくことで、自身の世界が構築される音が聞こえた。
きっとこういうことだろう。
私は私という存在がやっと肉体を持ち、離れていくことを知った。
もう盲信ではない。自身の意見を持ち、距離をとり、客観的立場に立てるようになったのだろう。
私はしっている。
大好きなものが一度嫌いになってもまた好きになることができれば、最初の好きよりももっと好きになれる。
だから、自分の世界を構築し、また好きになれるときに向かう。