祖母は元夫と軽く挨拶を交わし、応接間へ案内しました。
元夫はかなり緊張している様子でした。
元夫が着席したと同時に祖父がやってきました。
祖父は寡黙な人ですが、いつも私の味方でいてくれました。
今回のことを祖母から聞いた祖父は、「何も心配しなくていい。ずっとここに住めばいいし、おじいちゃんとおばあちゃんに頼ればいいから。」と私に言ってくれました。
そして、祖父、祖母、元夫、私で話し合いが始まりました。
祖母は、元夫に私から話を聞いたことを説明し、
「そのことで、今日はおじいさんと私からお願いがあってお越しいただきました。」と話を続けました。
祖母
「お願いと言うのは、アミちゃんに赤ちゃんを産ませてあげて欲しいです。授かった命を大切にして欲しいの。
今日までアミちゃんの両親に反対されながらも、仲良くお付き合いしてきたのだから、これからも仲良くやっていくのは無理なのかしら?」
すると、元夫から意外な言葉が出ました。
「僕もいろいろ考えまして、アミさんと結婚させて頂きたいです。今日、この話をするつもりで来ました。」
え⁉︎
結婚?
元夫の意外すぎる発言に私は動揺しました。
ここで祖父が口を開きました。
「そう決めてくれたのなら良かった。元夫くん、ありがとう」
元夫
「はい、よろしくお願いします!」
あっと言う間に話し合いは終了しました。
あの辛かった時間は何だったのか!?
私はわけがわかりませんでした。
同時に、一人で育てなくて良いんだ、とホッとした自分がいました。
この後、元夫は祖父母と楽しそうにお茶をして帰っていきました。
ただ…
元夫が結婚を決めた理由は、私と一緒になりたいからではありませんでした。