今年最初の読書は
北森 鴻「邪馬台」の再読
民俗学者 蓮丈 那智シリーズの
長編で北森 鴻遺作のひとつです。
蓮丈シリーズではあるのですが、
北森の他の本の主役である人たちが
多く絡んできます。
骨董商 越名集治が持ち込んだ
古文書に端を発し、越名自身は
凋落されていきます。
そして、旗師 冬狐堂こと
宇佐美 陶子
蓮丈に依頼を受けて手助け
していきます。
そして、その4年前に宇佐美陶子が
巻き込まれた事件が大きく関わって
くることになります。
この本は、これだけでは済まないので
読み返すのも大変です。
まず、その4年前の事件を書いた
「狐闇」宇佐美 陶子シリーズの長編
古代の鏡をめぐって起こる事件、
宇佐美は骨董商の鑑札まで失うことに
なります。
取り戻すべく立ち向かう仲間として
蓮丈と越名もでてきます。
そして、そのなかの出来事が
蓮杖シリーズ短編1作目
「凶笑面」のなかの「双死神」に
別の視点で描かれています。
この3作を読まないといけなく
なってしまうのです。
すべてが複雑に絡み合って
邪馬台国から征韓論、近代までの
大きな歴史の解釈もあり、
とても難解な話です。
残念ながら「邪馬台」の途中で
北森 鴻は亡くなってしまい、
後半は公私ともにパートナーだった
浅野 里沙子が書き足しました。
かなり大風呂敷を広げた状態での
絶筆だったので、後半まとめるのは
大変だったとは思います。
でも、やはり物足りない。
北森だったらどういう結末だったのだろう、
本当に残念です。
凶笑面から邪馬台まで
8年の間があります。
狐闇は凶笑面の2年後の作品
そしてその中に邪馬台を暗示する
言葉もでてきます。
大きな構想をもって長い年月を
かけて書かれていったもの
なのでしょうか。
亡くなる前、北森は
頭の中に後10年分の構想がある、
と言っていたそうです。
生きていれば、まだまだすごい
作品が出てきたことでしょう。
残念なことです。
