最後のエイドにようやくたどり着くも
お友達はいなかった・・・
そこには名物の
花豆があり
美味しくいただいた
別の計測の方に
「◯◯さん(お友達)、いますか?」
と聞いてみたが
「あー。さっきゴール地点の方に移動しちゃいました」
・・・・
がーん
「ゴールに行けば会えますかね?」
「はい。でも、またこちらに移動してくるかもしれません」
がーん
もう会えないかもしれない・・・
これだけを目指して頑張って来たのに
この落胆といったら。
また頭から水をかぶり
残り8kmを追いかける
早くゴールすれば、お友達に会えるかもしれない!
それだけが、心のたよりだった。
最後のエイドあたりから
前後している同じカテゴリの女性がいて
少し意識し始める
その女性はお連れの男性と一緒に走っていて
こんなところを
おしゃべりしながら走ると楽しそうだなー
なんて
私にそんな余裕はないけれど
とても楽しんでるようにお見受けした
こうなってくると
順位を落としたくない、というのが心情
残り少しだし
その少し、なのに
また山ん中に入り
地味な登りが続く(ここは最後の辛い場所だった)
その途中でカップルの方に追いつき
かわして先を急ぐ
ようやく山が終わって
ロードに出たら
背後からの気配に怯えながら
ここぞとばかりに走ろうとする
その区間、たった100mもないくらい
の途中で
前から来た車の方が
「ああああ〜〜〜!」
と叫ぶ
どうしたのかと顔を上げたら
会えなかった友達だ!
どうやらゴール地点からまた
最後のエイド地点まで移動していたところらしい
こんなたった100mのロード区間で会えるなんて
私たち運命なんじゃないの!
これ、私への最後のご褒美だね!
まだまだ頑張れるよ、ってことだね!
「水足りる?」
とちょうど少し不安に思っていたことを尋ねてくれて
水を補給してもらった
最後のエイドで満タンにしておくべきだったけど
あと8kmだしと少し油断したんだった
ここで満タン入れてなければ
瀕死状態だったと思う
この区間で
カップルにはまた追い抜かれたのだけれど
「きっと追いつける」
となぜか確信があった
ひとしきり元気をもらって
「行ってきます!」
「頑張れ!」
そう言葉を交わし
最後のスパートだ
すぐに山の中に入り
カップルに追いついてかわす
その後
コースの誘導をしているところで
少年が応援してくれていた
小さな葉付きの枝を持った少年が
「頑張れー」というので
「ありがとう」と返すと
「ねぇ、グミ食べる?」
とその枝を差し出す
グミ・・・・?
何だろう。
と近づくと
ああ。
「しゃしゃぶだ!」
これを読んでる方のどれくらいの方がご存知だろうか。
この実。
グミ科の「ささんぼ」という実らしい。
小学生の頃
通学途中に誰かの←おうちにこの木がなっていて
よく、つまみ食いしたこの実。
懐かしくて
「いただきます」と
少年から最後の補給を受け取り
25年ぶりくらいに口にしたその実は
ねぇおかーさん
今日はね
しゃしゃぶがなってたんだよ、と
それこそ得意げに
学校から帰る道すがらの話しなんぞを
母に聞かせたあの日が
一気に蘇ってくる
あの少年
よく知ってたなぁと
甘酸っぱい気持ちになりながら
ラスト2km
ちょうど
また同じカテゴリの女子を見つける
この頃に
どうしても勝ちたいとか
負けてたまるかとか
そんな気持ちはなく
「ラスト頑張りましょう!」
そう声をかけて
ラストを目指す
山を抜け
ロードを走り抜け
見えたスキー場
長くて辛く(なんなら今もまだなお)
そしてなによりも
スパトレイルレースレポおわり
また戻ってきたい。