ハロウィンの時に、「メイクって大変なんだなー」とか言ってたら、「いや、女の子のメイクはこんな適当じゃないから、もっと大変だよ」と突っ込まれた鈴木です。
うん、女って怖いよね。
さて、今日は前回バラについて書いていったので、また植物紋について書きます。
今日はユリに関するあれこれですよー。
シルバーアクセサリーではすっかり定番モチーフになってますね。
しかし、その起源は意外と古く、象徴的な意味を持ち始める前から古代エジプトやミノス文明などで見られていました。
こちらはアクロティリ遺跡で見つかった壁画。
この頃から既に様式化が始まっているのがわかります。
そして象徴として有名なのは、やはり、聖母マリアの処女性を表しているという事でしょう。
この有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」にも大天使ガブリエルがユリを手に持って描かれています。
これと対照的なのはやはりギリシャ神話ですね。
ヘラクレスに授乳する際にヘラがこぼした乳は、天に流れ天の川となり、地に滴ってユリとなった、という逸話があります。
面白いのがその後で、愛の女神アプロディテが無垢で清らかな印象を与えるこの花を憎み、ロバの男根を思わせる雄しべをこれに与えたというのです。
もう、マリア様涙目ですよ(笑)
さすが、愛の女神様はやることが違いますね。
さて、記事の冒頭のユリの紋章はフィレンツェ市のものです。
紋章学においては「フルール・ド・リス」と呼ばれ、最も重要なモチーフの一つとなっています。
(紋章に関する記事はこちら)
G.A.ベックラーの「紋章学」には「ユリは王家の花である。これは(中略)ユリの花が王笏に似ていること、ヘビがこの花を見ると逃げ出すこと、そしてこの花が心を癒す芳香を放つことによる」と書かれています。
いや、ヘビのくだりはつっこまないであげてください。
17世紀に書かれた事なんで多めにみてくださいね。
フランス王家の紋章になった由来は、481~511年に在位したフランク王クローヴィス1世にあるとされています。
彼は天使からユリを授かったとされ(ホンマか?)1179年以降、正式にフランス王家の紋章になりました。
その後、ルイ11世がメディチ家にこの紋章の使用を許し、一時、その統治下にあったフィレンツェの紋章にその姿を残すことになったというわけです。
その他にもヨーロッパの民間伝承には死のシンボルとしても使われる事があり、ドイツの伝承や民謡にその影響を見る事ができるそうです。
そんなこんなで後半は歴史の授業みたいになってしまいましたが、長くなってきたので今日はこの辺でおしまいにしておきます。
次回をお楽しみにー。
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