下の子(中1)は文字だけの本、例えば小説などはあまり読みません。全くの活字嫌いではないのですが、あまり気が進まないようです。夏休みの読書感想文の宿題も、昨年(小6)の夏休みに読んだ本、『ジョン万次郎:海を渡ったサムライ』(マーギー・ブロイス,  金原瑞人訳, 集英社, 2018)でもう一度書くとか言っていたので、かなり執拗に説得を試みて、やっと『ブロード街の12日間』(デボラ・ホプキンソン, 千葉茂樹訳, あすなろ出版, 2014)を渋々ながら読んでいました。

 

ところが、今朝聞いたところによると、私が持っている柴田錬三郎の『真田十勇士』(全3巻:集英社文庫版)を読んで面白かったと言っていました。これは昔NHKで放映された人形劇『真田十勇士』の原作になった柴錬版真田十勇士で、子ども向けに書かれていて、数ある十勇士ものの中でもとりわけ奇想天外・荒唐無稽なものです(真田十勇士自体が荒唐無稽と言ってしまえばそれまでですが)。その分面白いのですけれど。

 

少しだけ紹介すると、私のお気に入りのキャラクターは高野小天狗で、これは柴錬版以外には登場しないキャラです。あと、猿飛佐助と双璧をなす人気キャラクターの霧隠才蔵は、元の名をキーリー・サイゾというイギリス人という設定で、これはもうムチャクチャです。

 

ちなみに同じ柴田錬三郎作でも、立川文庫版の『猿飛佐助』『真田幸村』はかなり違って、こちらは柴錬らしいかなりアダルトな内容が含まれています。

 

*画像はNHKアーカイブズより(上のリンクと同じです)

 

子ども向けの集英社版は、1975-76年 に元々日本放送出版協会から出版された本です。以前このブログにも書いたのですが(「真田十勇士」)、私は小学生の頃に図書館で読んでとても気に入ったので買おうとしたのですが入手できず、祖父に相談したところ神田の古本屋街に連れて行ってくれ、片っ端からまわって探したのですが結局見つからず、そのままになっていました。それを数年前、ふと Amazon を使えば見つかるかもと思って探したら入手できたという本です。

 

面白い本ですし、活字だけの本が苦手なうちの子でも楽しめたのですから、これをきっかけに他の本にも進んでほしいです。次は吉川英治の『神州天馬峡』あたりでしょうか。こちらも以前持っていたのですが、何度も引越しをしているあいだになくなってしまいました。学習塾で教えていたときに、この手の本が好きだった生徒がいたので、その子にあげてしまったのかもしれません。図書館で借りれば済む話ですが...

 

余談です:大したテレビ番組もなかった当時、人形劇でも十分面白かったです。CG技術など発達している今日、実写版で作り直したらかなり面白いはずなので、誰か作ってくれないかな、と密かに願っています。Marvel シリーズに匹敵する娯楽作品になると、個人的には思います。