早いもので、ついこの間、新学期が始まったと思っていたら、
もうすぐ各学校の期末テストがあり、夏休みを迎えようと
しています。

二期制の学校では、前期中間テストの結果が返ってきました。

成績は、勉強を頑張った結果としてとらえると、点数の良し悪し
に一喜一憂しがちですが、自分が理解できたところと、まだ充分
理解しきれていないところのあぶり出しだと捉えると、これから
やるべきことが、客観的に示されて、良い指標になったことと思います。

生徒さんを塾で教える側から見ると、テストの結果だけにとらわれる
のではなく、出来なかったところを、完全に自分のものにしてから、
次へ進むための、良い教材となります。

勉強は、短期間努力したからといって、すぐに成果が表れるものでは
ありません。そういうものは、まやかしの習熟なので、本当に
こつこつとした、日々の努力が実って実力がつくのは、もっともっと
先になるはずです。

一人一人の習熟の速さの程度は、当然違いますので、その人に合った
方法で、指導していきますが、そこが、教師の腕の見せ所です。


先日、「プロフェッショナル」という番組で、茶師の前田文男さんが、
とてもいいことをおっしゃっていました。

短期間に成果を出せと言われたら、自分にはとても出来なかったかも
しれないが、勉強したり、経験したりする時間を与えてもらったから、
今の自分があるとおっしゃるのです。

お茶も、伸びる目をどれくらい持っているかを、見極めて仕入れ、
その時点で良いお茶でなくても、手をかけることによって、
どれぐらい伸びるのか、その潜在的な力を見抜く必要があるそうです。

自分の問屋に来たお茶は、子供と同じなので、決して見捨てることなく、
色々工夫して、時間をかけ、手をかけて、必ず良いものにして、
世の中に送り出すのだとおっしゃっていました。

そういう意味では、お子様をお預かりする塾も同じで、子供は、必ず
伸びる力を持っているのですから、それを時間がかかっても、最大限
引き出すことが仕事だと自負しております。

人に教えるには、まず、自分自身を更に磨いて、謙虚になって、また
次を目指そうと思っています。