(本文中の敬称を省略しております)

 かつて渋谷陽一は70年代にチャートを賑わせた幾つかのロックグループを、産業ロックであるとして批判していた訳ですが、Totoもその範疇に含まれていました。
 私としても彼の物言いに異を唱える気は毛頭ありません。しかしながら、多感な十代から二十代にかけて最も多く耳にもし、また親しんできた洋楽アーティストといえばイーグルスであり、ジャーニーであり、Totoであった訳で、それはどうにも否定のしようがありません。

 この曲はTotoのセカンドアルバム『Hydra(ハイドラ)』収録のナンバーでシングルにさえなっていないのですが、興味ある向きには是非とも一度聴いて頂きたい曲です。ハードロックとは言えないけれど、その彼岸に立っているとも表現すべき疾走感のある曲で、ツェッペリンを少しポップにするとこんな感じになりますかね。
 歌っているのは初代のメインボーカルであるボビー・キムボールです。Totoは何回もボーカリストを変えていますが、やはり私的には彼がベストですね。もう齢75になるそうですが、今も敬愛するボーカリストの一人です。

 『ハイドラ』がリリースされたのは1979年。私はその時15歳でして、当時実際にこのアルバムを購入し(もちろんレコードで)、それこそ針が擦り切れる程聴いたものです。中でもこのWhite Sisterは常に私の意識の片隅にありました。ドラムなど叩けないにも関わらず、この曲が流れてくる度に、ついつい爪先をタップしドラムワークをなぞってしまうのです苦笑。