(本文内での敬称は省略しています)

 何を隠そう私が最初に買ったレコード(くれぐれも断っておきますが、CDではなく苦笑)は彼女のです。ただし、曲はブルーではなく『かもめが翔んだ日』でしたがw
 『かもめが~』は今でもカラオケの定番ソングの一つになっている様ですが、このブルーは歌うには少し難曲過ぎるのでしょうか。私的にはこちらの方が神曲なのですがねえ。『かもめが~』がポピュラーソングとして纏まり過ぎている嫌いがあるのに対して、ブルーは良い意味で少し尖っているし、曲の展開もドラマチックになっています。あくまでも私見ですが。

 My music  boxに収めている楽曲は基本的に自分で歌う事を想定して編集しています(特に邦楽は)。非常に好きな曲であっても様々な事情で歌えないと判断したものは割愛したりしている程です。そういう意味ではブルーはとても歌い甲斐がある曲なのですが難しい苦笑。彼女の広い音域とキーの違いにややついていけません。当時の彼女がリアルタイムで歌っている動画が幾つもupされていますが、口パクではなく生歌が当たり前だったあの頃にあの力量は流石としか言い様がありません。
 渡辺真知子は確か音大の声楽科を卒業した実力派で、なかんづく感情の繊細な部分を表現する技量に長けていました。しかしながら私としましてはそうした歌唱力云々ではなく、単に女性として好みだったというのが彼女に食い付いた最大の理由です。

 ブルーは1978年リリースで、渡辺真知子3枚目のシングル。oricon最高10位、同年間チャートで52位を獲得しました。やはり歌い甲斐があるせいなのか、同世代の上手い歌い手さんには賞賛され、岩崎宏美は実際にカバーしていますし、渡辺自身もセルフカバーしています。オリジナルの編曲が悪いとは決して思いませんが、例えばストリングスをフィーチャーしたもっとスローなヴァージョンなんかがあっても良いのかな等と私なんかも想像してしまったり。

 リリース当時、私は14歳。思春期の少年からすれば彼女はいわば酸いも甘いも噛み分けた大人のお姉さんに見えていたのでしょう。