(画像はWikipediaより)


以前記事に書きましたが、小学生の頃、年上の従兄弟の家へ遊びに行ったとき初めて『地図帳』なるものを見たのです。

平地は緑、山地は茶色、海は深い場所ほど濃い青。そんな極彩色の色使いに、子供心に魅せられてしまったのです。
その地図帳は従兄弟が中学で使っていたものでしたが、当時既に高校に進学していた従兄弟にとっては不要な物。なので、私はあっさりそれを譲り受ける事になりました。以来、頁をめくっては私なりの『地理研究』に勤しむ毎日で、気が付けば装丁が解けるほどに読み込んでおりました。

さて、当時の地図帳では今以上に(皆様恐らくご存知の)メルカトル図法という奴が幅を利かせておりました。この図法は、大陸や島々の形や位置関係を知るのには便利なのですが、一つ致命的な欠点があります。
この図法、高緯度になるほど面積の歪みが大きくなるんです。従って、例えばグリーンランドは世界最大の島ではありますが、それでも実際にはオーストラリア大陸の3分の1ほどの面積しかありません。ところがメルカトル図法におけるグリーンランドはゴジラの如く巨大化して、アフリカ大陸と大差ない大きさに見えちゃうw

本来球体の表面にあるものを無理くり平面上に表現するのが地図ですからこんな事になってしまうのですね。
それでも中には「いやいや、地図ってものは正確さが命でしょー!!」と考える人もいて、色んな知恵を出し合い様々な図法が考案されました。でも全ての問題を解決できる図法は未だに存在しません。よって地図帳においてはその地図の用途や目的に応じて幾種類もの図法が使い分けられています。
まあ地球の表面を展開図みたいにズタズタに切り分ければ大体正確になるんですが、それでは見辛い事この上ない笑。

閑話休題。
メルカトル図法では、その巨大化したグリーンランドの左下辺りに、これまたどデカい島々がわんさかあります。北極諸島と呼ばれているのですが、その中でも一際デカい島が、バフィン島であります。
まあデカいといいましても先ほど挙げた様な事情ですのホントはそこまでデカくはない苦笑。それでもバフィン島だけで日本より広い(約50万k㎡)のだからやっぱりデカいw
そんだけ広けりゃ何かあるだろと地図とにらめっこしても何も書いてない苦笑。
小学生の私は考えました。こ、これはきっと地図作成者の怠慢だ、そうに違いないとw

もちろん怠慢などではありません。冒頭の画像を御覧頂けると分かる通り、この島は一部が万年雪に覆われているツンドラ気候です。寒過ぎて人が住みにくいんですねー。
でも決して無人島ではございません。住民はいます、1万人ほど笑。
日本より広い土地に1万人です、そう、1万人。大事な事なので二度言いました笑。
どれほどハードな環境なのか何となく想像できますね。実際、北極諸島はかなりたくさんの島々で構成されているのですが、その中で住民のいる島はたった5つしかありません。当然残りは無人島って事。何ていう島か忘れたけど、世界最大の無人島もこの北極諸島にあります。

バフィン島の中心地イカルイトにはモントリオールなどから国内線が就航しておりますので、その気になれば現地へ行く事も可能です。

メルカトル図法の地図で強烈な自己主張をしていたバフィン島…子供の頃から妙に気になっていたのですが、行けるんだったら一度行ってみたいな、なんて。

寒いの苦手だけどw