建築家の彦坂裕先生は、東京大学大学院時代は丹下健三先生の研究室にもいらしたようなのですが、その彦坂裕先生が私に、建築のアイデアを生み出すプロセスは、「まずは古今東西の建築資料を徹底的に集める。次にそれを徹底的に自分の視点で編集し直す。そして最後にすべて忘れること」。だからすぐにドローイングや設計図などを書くな、我慢するんだとおっしゃったのです。
私は、彦坂先生のお言葉は、おそらくは丹下健三先生や磯崎新先生など東京大学建築科に流れてきた思考プロセスだろうと心から尊重し、以後の様々なプロジェクト立案時には、そのプロセスを有難く、そして慎重に踏襲してきました。
