そしてそのためには時間がかかる、そのことを覚悟し忍耐強く哲学すれば、やがては誰も見たことがない景色を眺めることができ、その景色を他者と共有する悦びを味わえる、そうひたすら信じて孤独に戦わなければなりません(しかし世界に散らばる孤独者同士の哲学的連帯を強く感じながら)。

 それは、前人未到の絶壁を踏破し頂上に達するために、心肺機能向上のための長期間にわたるハードな持久力トレーニング、十分過ぎるほどのルートファインディングと気象条件などのフィジビリティスタディを行い、最大限の覚悟と勇気を持ち自分自身を信じ、やがては頂上に立ち無事に下山すれば、極限の興奮と悦びとエクスタシーと感謝の念が全心身を貫く、それを味わおうとする単独無酸素登攀と似ているかもしれません。